なんちゃって牧師の日記

説教要旨と牧師という職業で日々感じることを日記にしてみました。

船越通信(509)

船越通信、№508 2022年3月20日(日)北村慈郎

  • 13日(日)もいつものように午前6時半ごろ、この日の礼拝式および説教原稿他をメールで配信しました。それからしばらくしてから、早めでしたが、自宅分散礼拝を独りでしました。
  • この週は15日(火)夜に支援会の世話人・事務局会がZoomであるだけで、一週間どこにも出かけずに過ごしました。連れ合いが帰天してからの2年間、ちょうど新型コロナウイルス感染拡大の時期でもありましたので、特に沖縄との関わりについては、行動はもちろん思考においても停止状態でした。神奈川教区では、2019年11月23日に「沖縄キリスト教団と日本基督教団との合同50年を憶えて、合同の実質化を目指す集会」を、常置委員会主催、宣教部委員会、沖縄交流委員会、「合同50年」実行委員会協力で開催しました。この集会には、私も提案の段階から関わり、「合同50年」実行委員会の一員として働きました。その後この集会の報告集を作りましたが、その作業にも関わり、確か2020年の2月には報告集を発行しました。それから2年間ということになります。2月の末に「沖縄の米軍基地を撤去し、教団『合同のとらえなおし』をすすめる連絡会」(もとすす)の関西にある事務局の方々から、私がこのもとすすの世話人代表ということで連絡を受け、もとすすもこの2年間何もしてこなかったので、会員の方々にはそのことを説明・お詫びすると共に、これからどうするかを考えようということになりました。そこで私もこの2年間何もして来なかったことを反省し、少なくとも考えることから取り組んでいきたいと思い、この2週間で3冊沖縄関係の本を読みました。その中の一冊が鹿野政直の『沖縄の戦後思想を考える』(岩波現代文庫)です。この本からは、改めていろいろと教えられましたが、何よりもこの著者の姿勢に感動しました。この本の「はじめ」と「むすび」の中からそれぞれ一節を引用させてもらいます。
  • 本書の表題との関連で、「はじめに」の中で著者はこのように述べています。「‥‥そもそも思想とは何か、について、一言しておきたいと思います。/導きとするのは、先年亡くなった文学者であり思想家でもあった岡本恵徳さんの、『思想というものが、わたしたちの外からあたえられるのでなく、いわば、わたしたちが状況にかかわる中で、状況にどのようにたちむかうかという、主体的な機軸となるものであり』という言葉です。‥‥ここで主題とするのは、論理の体系といったものでなく、ないしそうであるよりは、『状況にかかわる中で、状況にどのようにたちむかうか』という営為として、かたちづくられていった思念の魂たちです。/しかしこの作業も、わたくしには、一種の戸惑いをもたらさずにはいられません。なぜなら作業は、状況への緊張感を漲らせて燃えさかっている心奥の情念、いまの時点から整序するという手続きとならざるをえませんが、その過程で、動態は静態化し内面は外面化して、本来その思想を脈打たせていた生命力を干からびさせるのではないかとの矛盾を、微力の致すところとして、避けがたく思われるからです。この点も押し切ることにします。/ということで、やっと主題に到着しました」。そして主題の展開しているのです。
  • 「むすび」では、沖縄学の父と言われる伊波普猷に触れて、「伊波は、絶筆とされる『沖縄歴史物語――日本の縮図』(沖縄青年同盟中央事務局、1947年)を、自己決定の問題に深くこだわりつつ、こう結びました。刊行されたとき、伊波はすでに世を去っていましたが、よく知られるようになっている文言です。『地球上で帝国主義が終りを告げる時、沖縄人は「にが世」から解放されて、「あま世」を楽しみ十分にその個性を生かして、世界の文化に貢献することが出来る、と一言附記して筆を擱く』。/この場合、『帝国主義』という言葉は、暴力的な覇権主義、あるいは覇権体制を意味していたのであろうと思います。それにたいして、わたくしたちはどうのように向きあってゆくべきかという課題を、この言葉は突きつけています。とともに、『にが

世』を克服し『あま世』をめざす動きは、そうした暴力主義的な『帝国』の観念の対極に、辺野古の海で始められている、とも受けとっている次第です」。

  • 鹿野政直は、辺野古新基地建設に反対する辺野古の運動を、帝国主義的な暴力が支配する「にが世」を克服して、「あま世」(平和で一人一人の人権が大切にされる世界?)

をめざす動きとして見ているのです。私たちには「本土」にあって、辺野古の運動につらなる課題が与えられているのではないでしょうか。現在のウクライナの問題を突き付けられています私たちは、ウクライナの人々への支援と共に、そのことが求められているのではないでしょうか。

  • 15日(火)16:30より支援会の世話人・事務局会がZoomで行われました。この日の主な課題は4月2日(土)13:00-15:30紅葉坂教会で開催します、支援会第9回総会の準備でした。当日の資料の確認、受付、司会、報告の担当者の確認などをしました。私はこの会が終わってから、当日世話人代表として挨拶を何時もお願いしています関田先生と今回講演を引き受けて下さった元住吉教会のM牧師に電話をして、改めて確認のお願いをしました。新型コロナウイルス感染については、まん延防止特別措置は21日(月)以降には解除すると思いますが、まだ感染者数が高止まり状態ですので、紅葉坂教会からも人数を50-60人に制限するように言われています。2年以上前に早稲田奉仕園スコットホール(早稲田協会)で開いた第8回総会も今回の制限人数くらいでしたので、多分大丈夫だろうと思っています。
  • その他、年度末になりますので、教区に出す報告などをまとめなければなりませんので、委員長をしているオリエンテーション委員会開催日を、メールで各委員とやりとりして、4月6日(水)19:00―Zoomで開催することにしました。また、寿地区活動委員会の毎月の委員会の議題(案)の原稿を、現在私が作って委員長と主事が修正確認の上、委員会当日の議題にしていますので、この週にはそれも作って委員長にメールで送りました。
  • 17日(木)には、私も原告の一人になっています安保法制違憲訴訟が横浜地裁であり、この日に判決が出ることになっていましたが、出欠を出す時期が新型コロナウイルス感染拡大のピーク時でしたので、私は欠席にしました。