なんちゃって牧師の日記

説教要旨と牧師という職業で日々感じることを日記にしてみました。

船越通信(415)

     船越通信、癸苅隠機   。横娃隠糠6月9日   北村慈郎


・今日はペンテコステの礼拝です。毎年ペンテコステの時には、堀辰雄の『風立ちぬ』の冒頭の「風立ち

ぬ、いざ生きめやも」という有名な詩句を思い起こします。これは、ポール・ヴァレリーの詩『海辺の墓

地』の一節を堀が訳したものであると言われます。「生きめやも」とは「生きようじゃないか」という感

じでしょうか。聖霊は、「父なる神」と「イエス・キリスト」の霊であり、神の命の息吹なのでしょう。

聖霊の息吹を受けて、この生きづらい現実の世にあって和解と平和の使者として歩み続けたいと願いま

す。


・5月30日(木)は午後4時半から高座渋谷教会で教区の基地・自衛隊問題小委員会(以下基地小)が

ありました。この日の基地小は2人の委員がお休みで、出席した委員は4人でした。主な協議は今年度の講

演会についてですが、講師は矢部宏冶さんにお願いしようということになり、お願いの手紙の原案を私が

書くことになりました。後日原案を書き、基地小の委員の方々にメールで送り、基地小として修正された

講演依頼の手紙を矢部宏冶さんに講演依頼担当の委員から郵送しました。矢部宏冶さんは講演をしない人

のようですが、今回は敢えてお願いしました。矢部宏冶さんはその著書からしますと、憲法体制よりも安

保体制がこの国では政治的な権力としては上にあるという現実を踏まえて、平和につながるこの国の在り

様を模索している人です。是非講演を伺いたいと願っています。


・6月2日の日曜日の礼拝には、耳の不自由なOさんが出席しました。この日はいつもパソコン筆記を

担ってくださるHさんがお休みでしたので、Tさんにお願いし、Tさんには2日の午前0時30分ごろメールで

説教原稿を送っておきました。Oさんは船越教会の礼拝に出席される時には、いつも私に対する質問をい

くつか持ってこられます。その質問に私は礼拝後に答えるようにしています。この日も三つの質問を0

さんから受けました。そのうちの一つは、神とイエスについてです。教会によってはイエスについは余り

語らす、もっぱら神について語るところがあると言うのです。私はベトナム戦争の時にアメリカ大統領の

ブッシュの信仰には、神への宣誓はあるが、イエスの十字架はないという批判があったことを紹介しまし

た。そして神はイエスを通して自らを啓示したというのがキリスト教信仰であり、イエスに全く触れない

で神だけを語るのは、キリスト教信仰としては問題ではないか、と申し上げました。


・この日は礼拝後医療の問題で懇談に花が咲きました。がん治療のこと、薬の使い過ぎのことなど、話が

盛り上がりました。私も高血圧と前立腺の薬を一錠ずつ毎朝飲んでします。そのため2か月に一回は内科

に、3か月に一回は泌尿器科に受診して薬をもらっています。私も医療費の高騰に一躍買っているのかも

知れません。


・4日(火)は午後6時から蒔田教会教育館で常置委員会がありました。私も要請陪席者として出席しま

した。この日の主な議題は6月29日開催の教区総会に関わる内容のものでした。実はかながわ明日の教団

を考える会でまとめました、「日本基督教団教師委員会・審判委員会の北村慈郎教師に対する戒規適用が

無効であることを確認し、北村慈郎教師の免職処分を撤回を求める声明を出す件」と「沖縄キリスト教

日本基督教団との合同50年を憶えて、合同の実質化を目指す集会を開催する件」は常置委員会提案に

してもらうように、私の方から四役会にお願いしてありました。四役会はこの日の常置委員会の議題に入

れてくれ、審議の結果二つとも常置委員会提案の教区総会議案になりました。この日は常置委員会が終

わったのが午後9時半ごろでしたので、すぐに帰りましたが、鶴巻の自宅に着いたのは午後11時少し前で

した。


・5日(水)は、連れ合いが抗がん剤投与から3週目の時期で、比較的安定していましたので、この日午

後6時半から横浜駅西口近くの神奈川県民センターホールで行われました辺野古新基地建設反対の集会

(「ストップ!辺野古埋立て6.5横浜の集い」主催:島ぐるみ会議と神奈川を結ぶ会)に参加しました。

この集会の協賛の中には、神奈川教区の基地小も加入しています「基地撤去をめざす県央共闘会議」も加

わっていました。集会では二人の発言(安次富浩さん〔ヘリ基地反対協議会共同代表〕が沖縄からの訴

え:「辺野古のたたかい~現状と課題」にいて、元山仁士郎さん〔「辺野古」県民投票の会〕が「県民投

票の経験から考える<沖縄の自己決定権>」がありました。元山仁士郎さんは、今は一橋大学大学院で19

72年の沖縄返還前後の歴史を研究しているそうですが、沖縄の県民投票では呼びかけ人としてハンガース

トライキもした人です。様々な圧力のある中で沖縄県民の52.48%の人たちが県民投票に行って、その7割

超の人たちが辺野古新基地建設に反対の意思表示をしたことは、大変重いことです。それも無視し続けて

いる今の政府は、沖縄への植民地主義を露わにしているとしか思えません。東京新聞6月7日朝刊に、沖縄

大非常勤講師の親川志奈子さんがこのように書いていました。


・<(今年4月にニューヨークの国連本部で開催された)「先住民族問題に関する常設フォーラ

ム」で私たちは、辺野古新基地反対票が七割超に上った二月の県民投票の結果尊重を訴えた。/中には、

琉球姿の私に駆け寄り「ニュースで投票結果を知りました。あなたたちの行動に敬意を表します。民主主

義を無視する日本政府の態度を遺憾に思います」と握手を求めてくる人がいた。/沖縄言葉に「まく

とぅーそーけーなんくるないさ」がある。「くじけずに正しい道を歩むべく努力すればいつか良い日が来

る」との意味だ。/県民投票後、岩屋毅防衛相は「沖縄には沖縄の、国には国の民主主義がある」と言っ

た。それはまさに、植民地主義にのっとった「日本型」民主主義の正当化ではないだろうか。世界は見て

いる。私たちは、真の民主主義を実践していく。>