なんちゃって牧師の日記

説教要旨と牧師という職業で日々感じることを日記にしてみました。

野宿者襲撃

ここ数日少年がホームレスの人に火炎瓶を投げて殺した事件のことがニュースで報道されている。

悲惨な出来事である。

私は横浜に住んでいるが、ご存知の方もあると思うが、1983年に横浜の山下公園で中学生がホームレスの方を殺してごみの籠に入れたという事件があった。どのくらい前になるだろうか、大阪の道頓堀でも少年がホームレスの人を川に投げ落として殺した事件があった。

道頓堀の事件の少年を北村年子さんという方が、裁判を傍聴し、少年とも面談を重ねて、少年の心の闇に迫る本を書いた。私はその本を読んだことがある。また、著者の北村年子さんの講演も聞いたことがある。確か少年は小さいときからいじめを受けていて、自尊感情が極端に欠けたまま育ったと言われていたように思う。そして北村さんは「いじめの連鎖を断つ」にはどうしたらよいかという問いを投げかけていた。

自分を大切にされずに育ったり、いじめられてきた少年が、その抑圧された思いを社会から排除の対象にされているホームレスにぶつける。それが少年のホームレス襲撃事件であろう。

加害者の少年もこの社会では被害者でもあるので、事件を起こした少年を罰するだけでは問題の解決になかなか繋がっていかない。

私も多少日雇い労働者や野宿者のことに関わっているが、この種の事件を聞く度に心が痛むのである。