なんちゃって牧師の日記

説教要旨と牧師という職業で日々感じることを日記にしてみました。

2007-01-01から1年間の記事一覧

闇の中の光

クリスマスおめでとうございます。 私は既に天上の人になっている井上良雄先生という方を尊敬しており、先生の説教集の中にある一つの譬(たとえ)を、私は葬儀の説教で時々用いさせてもらう。その譬はクリスマスのメッセージにも当てはまるので、ここで紹介…

高齢者の命の尊厳

命の尊厳ということが言われますが、命の尊厳ってどういうことなのでしょうか。 私が牧師をしている教会で一番の高齢者は106歳のKさんです。Kさんは、今は病院に入院していますが、しばらく前までは介護ホームで生活していました。100歳の誕生祝いの写真も介…

朝ドラのセリフから

昨日、NHKの朝ドラで大変重要なことがいくつか、ドラマの人物のセリフの中にありました。 ひとつは、自分の中にあるいやらしさ(キリスト教的には「罪」でしょうか?)ときちっと向かい合うことによって、人に優しくなれる。それがきちっとできたら、次に相…

自立ということ その2

確か、羽仁もと子さんの全国友の会のモットーは、「思想しつつ、生活しつつ、祈りつつ」ではなかったかと思います。友の会では、多分家庭という場での女性の自立ということで、因習にとらわれない合理的な家庭の設計ということがめざされているのだろうと思…

夢と幻

ヨエル書3章1節に「老人は夢を見、若者は幻を見る」というよく知られた言葉があります。 高齢者が多く、若者が少ない教会の現実を嘆く方もありますが、私はそうは思っていません。先日も教区の常置委員会があり、会が終わって数名の方々と会食し歓談してい…

神のユーモアは何処に?

月曜、火曜と大阪のホテルに泊り、兵庫と大阪で行われた集会に行って来た。帰りに近江の野洲で古い友人とも本当に久しぶりに会ってきた。そこには以前今私がいる教会で伝道師をしていたY君も同席してくれた。 この古い友人は神学生時代からの付き合いで、学…

日米軍事融合

いくつもの仕事を抱えてその一つ一つを丁寧にこなしていくのは、相当しんどいことでもあるが、今のところ何とか務めを果たすことができているのも、私を生かしてくださる方から、まだ仕事をしなさいと言われているからかも知れない。そのしんどい時期が過ぎ…

未来→現在←過去

昨日の朝テレビで、日本人の女性で、高校を出て中国で映画の勉強をし、主席で卒業して、中国の映画に出演している方のインタヴューがありました。その中でその方は、日本人として中国にいると、かつての日中関係の問題、日本の中国侵略の歴史が日中の友好的…

寒くなりました。

今日は大分寒くなってきました。暦の上では立冬になりましたので、当然と言えば当然です。しかし昨日乗ったタクシーの運転手さんも話していましたが、「最近は仕事を終えて、夜3時頃車を洗うが、冷たくて困る日は真冬でも数日くらいですよ。暖かかくなりまし…

新しい時をもたらす方

昨日のこどもと大人の合同礼拝説教の要旨。題「新しい時をもたらす方」マタイによる福音書11章2-6節 イエスさまは、バプテスマのヨハネがガリラヤの領主ヘロデ・アンティパスに捕まって牢屋に入れられたと聞くと、人々の前に現れて、「悔い改めよ。天の国は近…

子による親の虐待

・ 今日テレビでお年寄りの虐待が報じられていた。その理由は、お年寄りの年金を当てにする子どもからの虐待だという。 ・ 私は前々からこういうことが起こりえるのではないかと、密かに暗い予感を持っていた。良い悪いということであれば、子どもによる年老…

理解について

自分で理解したことだけが、/私の持っている唯一・最高の宝である。/闇の支配力にくらべれば、消えてしまいそうなほどかすかだけれど、/たったひとつの灯りであることにかわりない。」 ユングの言葉だそうである。北村年子さんの『ホームレス襲撃事件~“…

正統と異端

富田正樹『信じる気持ち~はじめてのキリスト教~』をテキストとしてキリスト教入門講座を、私は教会で月2回(第2、第4木曜午後7時より)、しばらく前から開設している。最近4人この講座に出席している。最初からの人が2人、後の2人は途中からである。最初か…

教師退任勧告

そもそも対話をしょうとせず、一方的に断罪、排除しようとする相手と話をすることは至難のことである。ほとんど不可能に思われる。 今回私は日本基督教団常議員会というところで、めでたく「教師退任勧告」なるものを受けることになった。その勧告は数日前に…

凧の糸

「神のなさることは皆その時にかなって美しい。神はまた人の心に永遠を思う思いを授けられた。それでもなお、人は神のなさるわざを初めから終わりまで見きわめることはできない。」(口語訳)という言葉が、旧約聖書コヘレトの言葉(新共同訳、口語訳では「…

関係に気付く

女の子がナタで父親を殺害したという事件を知って、びっくりしたが、同時に、日本の社会はそこまで来てしまったのかという思いにかられた。 その女の子は学校で魔女の役を演じたことがあり、その役にはまっていたという。 私は以前精神科の医者から、自分は…

終末の信仰

安部首相が自ら辞意表明をした日、私の妻は辺野古の基地建設反対国会前座り込みに行っていた。 国会前にいて、首相官邸の動きがあわただしくなり、安部辞任の報が駆け巡ったのだろう。妻は私に電話でそのことを知らせてくれた。2時の会見の少し前であった。…

弟子派遣の物語から

福音書にはイエスが弟子たちを宣教に派遣した記事があります。例えばマルコによる福音書6章6-13節は弟子派遣の記事です。 この弟子派遣物語から第一に私たちが聞き取らなければならないことは、イエスが宣べ伝えた神の国の福音は全ての人に向けられていると…

信徒

一口に「教会」と言いましても、教会には多様な側面があって、どこを指すかによってニュアンスは随分違ってくるでしょう。建物としての教会があります。今私が牧師をしています教会の建物は、外壁のほとんどを蔦が覆っています。文字通り「蔦の絡まるチャペ…

病の癒しとは

マルコによる福音書5章24-34節には12年間も出血の止まらない女の物語が記されています。12年間も一つの病に苦しまされている人が、どんな思いを持っているものなのか、健康な者にはなかなか分からないことです。この女の人は、26節をみますと、「多くの医者…

心友

ひとりの個人史は、その人が生きてきた時代と社会の刻印であると言えるでしょう。また、ひとりの人の個人史は、他者との出会いの集積と言えるかも知れません。 以前、もう大分前になりますが、日本基督教団神奈川教区にある社会福祉小委員会主催の障がい者と…

イエスの喜び

みなさんは、ゴールデンウイークのお休みをどのように過ごしましたか。うれしいことや心から喜べることがありましたか。私は4月30日に足利フラワーパークというところに行ってきました。足利フラワーパークは藤の花で有名です。桜木町から約3時間電車にのっ…

まんざらでもない老い

先日私はヘルニアの手術を受けた。2月末頃から左下腹部に変調を感じ、いつも診てもらっている医者に話したら、ヘルニアではないかということで、病院を紹介してもらって手術を受けた。ヘルニアは老いの兆候とのこと。65歳という自分の年齢を改めて自覚させら…

人生の難問

自分一人で生きているのではなく、人との関わりの中で生きている私たちには、自分も大切だが、他者も大切である。自分さえ良ければ、他の人はどうなっても関係ないというわけにはいかない。 古代ギリシャの哲学者であるカルネアデスという人が、人生の難問を…

類としての病者

私たちの中には聖書の時代の人々と同様に、いろいろな苦しみを背負って生きている人々がいる。その中でも病気は私たちが経験する苦しみの一つである。その病気が重ければ重いほど、病者本人だけでなく家族全体に重圧がのしかかり、本人はもちろん家族の方々…

時間泥棒

見田宗介がインドやブラジルで過ごしたときの時間の流れについて、日本やアメリカのような国での時間の流れと根本的に違うことを、その著書で書いていた。産業化された近代社会では時計の刻む時刻によって人が動かされるわけだが、インドのまだ近代化されて…

「牧師にこだわる理由」

私の尊敬していたOさんが亡くなって丸5年が経った。Oさんは私より12歳年上の人である。Oさんの同年代には他にも二人の私が尊敬する人がいるが、一人はOさんより前に亡くなっている。もう一人のHさんは今も元気にしている。 このOさんが、以前教会の総会資料…

ネット社会

今朝の朝日新聞を読んでいたら、「ネット社会」が実際に出来ていて、そのネット社会の住民として登録すると、そこで商売も出来るという。 そのネット社会では現在一日日本円で2億円位の商取引が行われていて、ネット社会の通貨はドルと交換できるようになっ…

入院記

先週5日間ヘルニアの手術で、45年ぶりに病院に入院した。 45年前の場合は、教会で卓球をしたりして、夜まで仲間と遊んでいたところ、急にお腹かが痛み出し、我慢しきれずにいつも診てもらっていた医院に行ったところ、手遅れに近い盲腸ということで、急…

受苦日の再出発

昨年度一年間引きずっていた自分の中のこだわりも、やっとそのこだわりよりも大きなものが自分の中に生まれてきて、そのこだわりから自分の心が解放されてきているのを実感している。 そこで、また初心に返って、ブログ・なんちゃって牧師を再開したい。 昨…