なんちゃって牧師の日記

説教要旨と牧師という職業で日々感じることを日記にしてみました。

関係に気付く

女の子がナタで父親を殺害したという事件を知って、びっくりしたが、同時に、日本の社会はそこまで来てしまったのかという思いにかられた。
その女の子は学校で魔女の役を演じたことがあり、その役にはまっていたという。

私は以前精神科の医者から、自分は猿だと思い込んだ人が、実際に顔つきや振る舞いが猿のようになってしまうという事例を聞いたことがある。憑依現象の一つなのだろうが、人間が動物になることもあり得るのかと、その時は変に納得してしまった。

かつてオーム真理教の信者が、地下鉄にサリンをまいて、無差別殺人をしたことがある。その信者の多くは世間では一流と言われる大学を出ている人間だ。カルト教団による洗脳と言えるのかも知れないが、通常は隠れている人間の持つ狂気に突き動かされて、立派に大学教育を受けた人間が、非常識極まりない殺人を犯してしまったわけだ。

自分と同じ人間である他者との関係を、私たちは日常的に生きているという極めて単純な事実が、どこかにすっ飛んでしまって、自分の観念だけが肥大するということは誰にでもあり得ることだと思う。でも、そういう観念世界への飛翔を止めてくれる具体的な他者との出会いを、私たちは毎日生きているのではないだろうか。

今の社会はそれが家族であっても希薄になっているということだろうが、改めて自分の周りの人間に目を留めて、その豊かな関係を築いていきたいものだ。