幼い子どもたちの顔は輝いている。
今日、私が所属する教会の関係する保育園で卒園式があった。お祈りを頼まれて私も来賓として出席した。
15名の卒園児の小さな保育園である。主任保父が卒園するひとりひとりの園児の名前を呼び、その子の特徴を短く語り、最後に、ありがとうね! と言って、園長からひとりひとり卒園証をもらうのである。
子どもたちの特徴を温かく、時には感極まって涙を見せながら、読んでいる主任保父は、子どもたちから名前で呼ばれている。30名ほどの在園の子どもたち、保護者たちの方々、私以外の数名の来賓の方や他の保母さんも加わった全体の雰囲気も、卒園していく子どもたち一人一人にみんなの心が注がれていて、本当に気持ちのよい卒園式であった。
私は、園長さんからお祈りの前に短く一言話してくださいと依頼されていたので、マタイによる福音書の6章の「空の鳥、野の花」の一節、「命は食べ物よりも大切である」を朗読し、短い詩を読んで祈った。
「食べ物」も人間が生きていく上で大切であることは誰も否定できない。野宿者支援の炊き出しに参加したことのある人は、そのことを身にしみて感じるに違いない。食べ物が必要不可欠なのは、命を守るためである。だから、「命は食べ物よりも大切である」と言えるのである。
「食べ物」に当たるところに受験、就職、出世などという言葉を入れてみると、「命は・・・・よりも大切である」という言葉の意味がより明確になるどろう。