なんちゃって牧師の日記

説教要旨と牧師という職業で日々感じることを日記にしてみました。

父北村雨垂とその作品(91)

 今日も「父北村雨垂とその作品(91)」を掲載します。

 昨日は午後4時過ぎに鶴巻から寿地区センターに行きました。神奈川教区のオリエンテーション委員会があったからです。委員会では2012年度の予定を決め、終わってから数名で近くの中華店で飲んで食事をして、帰って来ました。鶴巻に着いたのは午後11時半頃でした。

                
                父北村雨垂とその作品(91)

     
     ふあうすと 全国川柳作家年鑑 1974年(昭和49年)8月

 神の指紋の ビオロンの 涙ともえくぼとも

 智惠とみた運命の蛇は 石を呑む

 分裂の獅子は 詞(コトバ)の眞理を探す

 虹を紡ぐ モイラは嘔かれスフィンクスも嘔かれ

 明日え発つ 少年 智惠を 懐(ふとこ)ろに

 夜が来ると 私の蛍が 遊びに行く 

 朝が来ると、私の蛍が 帰ていた

 盥の中で 風景が踊っている - 歴史
 
 運命の男は 石の火を 夢に

 狂乱の旋律の 白痴(はくち)また白痴(はくち)の首


     ふあうすと 合同川柳作家年鑑 1977年(昭和52年)10月

 花や散る 女の肌の愛(かな)しさに
 
 善悪の右と左の岸に 火蛾

 天国の嫁に 地獄は 火を産みに

 たくましき おんなごころに 葉鶏頭

 酔いしれた瞳に 鮟鱇のぶらさがり

 ぞくぞくと コトバが孵える 庶子ながら

 脱落の人に 鐘の「私(ヒト)」を描く

 空と啼く 臍や 蛙は 白蓮に

 ふところに在る プリズムの泣き 笑ひ

 神の指紋にツァラスゥトラは十字架に


     ふあいすと 全国川柳作家年鑑  1980年(昭和55年)10月

 画布を砂漠に 躍る死臭を画描くとき

 悲劇と喜劇の 核(かく) 光る 鍵盤

 祖国孵る 夢に 還(かえ)らぬ 構造の 女

 熱い涙と 冷たい汗の ながい会話

 透きとおる 眞昼に 夜の呟き
 
 フラスコに 咳く神の 在りとせば

 時計に跨って 大音声に風を斬れ

 風雪や 笑え 大阪城の 石

 ひとつ目の月や 寺町 涅槃の街

 詞の目鼻に 鑿と槌とを採らむかな