なんちゃって牧師の日記

説教要旨と牧師という職業で日々感じることを日記にしてみました。

品性ということ

昨日朝、テレビで『国家の品性』という本を書いた著者のインタビューが放映されていました。小泉首相をはじめ現在の政府が推し進めてきた政策が、日本の国家の品性を著しく格下げしてしまったということを、色々な面から語っていました。その発言はなかなか説得力があったと、私には思われました。

経済の自由化が弱肉強食の格差社会を必然的に生み出しという指摘をはじめ、どの国家もエゴであり、その一国家アメリカの大統領ブッシュに親友のように扱われて喜んでいる日本国首相小泉純一郎は、そもそも国家とは何かが分かっていないと言うのです。なるほどと思いました。

また、人の心や痛みが分かる人間が育つには、国語教育が大変重要であるという指摘も、なるほどと思わされました。小さい時から英語やパソコンを習うのではなく、徹底して国語教育を施し、言語を獲得することによって、言語を通して知情意のような人間力をつけていくことの大切さも語っていました。時間は長くかかりますが、そこからしかこの国が良くなる道はないと言うのです。

以前森有正の本を読んでいて、フランスの「義務」(?)教育が徹底して国語教育であることを知りました。数学(算数)も文章で解くということも書いてあって、そういうものなのかと感心したことを覚えています。

また、『国家の品性』の著者は論理よりも情の大切さを強調していて、筋や論理的なことを好む私には、ちょっと耳の痛いところもありました。

人間が自分のことばかりではなく他者のことを考えられる人間に育つのは、教育の力によることは間違いありません。儲けることしか考えない人間しかいなくなったら、恐ろしい社会になるに違いありません。

幸い私の周りには、他者から学び他者と共に生きていこうとしている人たちが沢山います。ですから、私は希望を捨てません。