なんちゃって牧師の日記

説教要旨と牧師という職業で日々感じることを日記にしてみました。

現在の危機

 日本の現在を「とうとうどん底まできた」というように捉えている人がいます。たとえばテレビを見ていても、いまテレビで一番多い番組は食べ物の話とお笑いです。「芸にもなっていない若い芸能人が出てきて、何か食っては『うめぇ』とかいっている。そうじゃなければお笑い番組です。もちろんそれは人間の非常に大切な要素だから結構なことなんだけど、『これだけかぁ』というふうになってくると、どうでしょうかね」。
 
確かに私たちの周りにはそういう現象が顕著に現れているように思われます。食べることと笑うことは、人間にとって大変大切なことには違いありませんが、それだけとなりますと、考えるということが希薄になっていくのではないでようか。事実考えるということをほとんど経由せずに、感情のおもむくままの行動が現在の日本にはあちこちに見えるように思われます。
 
こんなに簡単に人が殺せるのかというような事件の連続は、「思考の放棄=動物生への回帰」としか思えません。この現象の根には、「先進国」日本の、消費資本主義の流れが必然的に導き出す人と人との関係をバラバラにしていく個人化現象があるものと思われます。地縁血縁や国家や企業のような共同性から離れて個人が自立することは、それ自身悪いことではありません。ただその個人が相当成熟していないと「動物生への回帰」にいく他ありません。
 
このような日本の現在にあって、聖書によって神の前にある個人の自立に招かれている私たちの責任の重さを感じています。