なんちゃって牧師の日記

説教要旨と牧師という職業で日々感じることを日記にしてみました。

船越通信(144)

          船越通信癸隠苅粥 。横娃隠看1月26日                

・19日の日曜日は礼拝後、何時ものようにお茶とお菓子を頂きながら懇談の時を持ちました。こ

の日はIさんも見えましたので、彼が毎週参加しています金曜日の国会前の反原発集会の話を聞き

ました。また、横須賀には1967年から久里浜原発核燃料製造工場(GNF)があり、福島の東電第

原発事故以後の状況は私には分かりませんが、以前は日本の原発の半数にこの久里浜のGNFか

ら核燃料が運ばれているということでした。この久里浜のGNFは、この核施設があるために周囲

の住宅や新築マンションの価値が下がるのを恐れてでしょうが、住宅地図には明記されていないそ

うです。IさんはGNFの前でも一人で時々原発反対のアッピールをしているそうです。横須賀米

軍基地には原子力空母や原子力潜水艦が停泊します。先週は原潜が2艦米軍基地に入港していて、

横須賀には原子炉4個があるという状況が現出しました。福島東電第一原発事故によって決定的に

原発安全神話が崩壊した今、原子炉の事故の可能性や原子炉や核燃料の存在が周囲に核汚染を拡散

させていることを考えると、何としても脱原発の運動を続けていかなければなりません。

・その関連で、都知事選挙のことが話題になりました。脱原発を掲げて細川さんが立候補するとい

うことで、同じ脱原発の既に立候補を表明していた宇都宮さんを降ろさせ、細川さんで一本化しよ

うとする人たちが、脱原発の運動体の中にはいるということです。政治ですから、当然のそのよう

な動きがでてくることが予想されますが、候補者同士のきちっとした話し合いと了解がないところ

で、支援者の側が選挙を勝つために無理矢理一本化させようとするのはどうでしょうか。お茶の会

での話し合いで、しかも東京都民でない者ばかりでしたが、ちょっと傍観者の気軽さがあったかも

知れませんが、話が弾みました。ただ都知事脱原発派の人になるか原発推進の人になるかは、都

民だけでなく、私たち全てにとって大変大きなことですので、都知事選を関心を持ってみていきた

いと思います。

・22日(水)には、Sさんという50年来の私の友人でもある画家の個展を銀座の画廊に連れ合い

と観に行きました。十数点ほどのそれほど大きくないキャンバスに、基本の構図は、干柿を縦に紐

で蔓したようなものを3本から5本ぐらい並べてあるよう感じです。10年ぐらい前の個展では、明ら

かに干柿ではなくレモンが周囲から突出して並んでいるような絵でしたが、今回のは周囲との境界

が繋がっていて、10年前の絵と比べますと、レモン(干柿?)の形はぼやけています。中には数点

キャンバスに湾曲した針金のようなものが何箇所から出ていて、光線によってその針金の影がキャ

ンバスに映っているものもありました。今回画廊で彼が数年前に新潟で個展を開いた時に、ある俳

句作家の方が地方紙に彼の絵を観た感想を書いた切り抜きをもらいましたが、そこには彼の絵から

生き難さを抱えた繊細な優しさを感じたという趣旨のことが書かれていました。私は彼とは50年近

くの交流がありますので、その俳句作家が彼の絵を観て書いていたことがストーンと了解できまし

た。

・23日木曜日午後7時半から聖書研究会がありました。ガラテヤの信徒への手紙2章11~14節で

す。アンティオキアの教会でペトロが非ユダヤ人(異邦人)と食事を一緒にしていたのに、エルサ

レム教会のヤコブの下かららユダヤ主義者が来ると、その一緒の食事から身を引こうとしたことに

対して、パウロがペテロを叱責しているところです。この個所からすると、最初期の教会にすでに

信仰理解や信仰者としての在り方・生き方の問題で、いろいろな対立があって、論争や批判があっ

たということが分かります。パウロはペテロらが「福音の真理にのっとってまっすぐ歩いていな

い」と言って批判しています。これはパウロなりの批判です。もしそのパウロの批判が不当なら

ば、ペテロは反論すればよいわけです。しかし、このところでは、ペテロはパウロに反論できなか

ったのではないでしょうか。「福音の真理」性にお互いに従って共に歩む交わりが教会というエク

レーシア(集まり)です。しかも福音の真理性は自明なものではありません。今ここという状況の

中で聖書を通した神・イエスとの対話から福音の真理性を聞き取る外ありません。聖霊の導きがそ

こにあると信じて。ガラテヤの信徒への手紙を一緒に読みながら、そんなことを感じました。この

日は私を入れて5人の出席者があり、この日の聖書の個所をめぐって、それぞれの思いや考えを分

かち合いました。

・24日(金)は朝9時過ぎに船越教会を出て、午前11時からはじまる東京地裁でのMさんという

アフリカのコンゴの人の難民申請の裁判傍聴に出かけました。Mさんについては、カラバオの会が

全面的に支援してこの裁判が行われていますので、私も傍聴にはできるだけ出ようと思って行って

います。自分が裁判をしてみて、その裁判に傍聴の方が沢山来てくれることが、どんなに心強いか

を感じまし、Mさんの場合には、私の場合とは違い、それこそ命に関わる裁判ですので、出来る限

り支援をしていきたいと思っています。裁判傍聴とその後の報告会に参加した後、少し時間をつぶ

して、午後3時過ぎに寿地区センターで主事と打ち合わせをしました。それからまた少し時間をつ

ぶしてから、午後7時から神奈川教区の臨時常置委員会に陪席しました。この日の臨時常置委員会

は、神奈川教区ではもう30年近く懸案の課題になっていますT教会問題について、双方から意見を

聞き、出来ればその解決の糸口を見いだしたということで設定されていました。T教会では、30年

来二つの集会(礼拝)が同じ教会の敷地にある会堂とプレハブで毎日曜日別々に行われていまし

た。ところが、会堂側が3年ほど前にプレパブの礼拝に出席しているT教会教会員を無視して、教

会総会を開き教会解散を決めて、教会解散申請を教団に出しています。教区はT教会問題を継続し

て担ってきていますので、会堂側の一方的な教会解散を承認して、教団に申請書を上げるわけには

いきませんから、できれば両者の話し合いによって問題解決を図りたいと願っているわけです。今

回会堂側からは代務者の代理人であると自ら主張しているO隠退牧師と既に他教会に転会している

一人の信徒の方が、プレハブ側からは7人が来て、両者の言い分を聞くことができました。このこ

とが契機となって、T教会問題の解決への道が拓かれますようにと願っています。