なんちゃって牧師の日記

説教要旨と牧師という職業で日々感じることを日記にしてみました。

船越通信(267)

            船越通信癸横僑掘 。横娃隠暁6月26日    

・6月19日(日)は礼拝後残れる人で何時ものようにしばらく懇談お時を持ち、その後役員会を行いました。

役員会では前月の教務報告の一つとして礼拝出席者数の報告がありますが、5月は連休があったこともあり、

来客というかめずらしい方の出席もあって、平均で13.4名でした。いつもは大体10名前後ですので、5月

の礼拝出席者が多めでした。船越教会の定例の集会は月に一度の聖書研究がありますが、ほとんど礼拝のみ

と言っても過言ではありません。教会員の居住地は広域に散在していますので、教会員は月一回でも二回で

も礼拝に来れる時に来て、週日はそれぞれが主体的に証の生活をしていくという形態の教会にならざるを得

ませんし、また意識的にそのような教会形成をめざしてもいます。そのような船越教会の礼拝に出席してく

ださる方がいるということはうれしいことです。

・6月19日(日)には、お隣の田浦教会で牧師就任式がありました。HさんとTさんに行っていただきました。

この日には川崎の生田教会でもI牧師の就任式がありましたが、役員会がありましたので、私は欠席しました。

生田教会には、一言祈りを添えて、返信の葉書でその旨連絡はしておきました。今年度は伝道師を入れます

と、神奈川教区の諸教会・伝道所において10名以上の教師異動があります。

・21日(火)には農伝に行きました。説教演習ではエフェソの信徒への手紙3章14節から21節をテキストに

して、二人の学生が説教をつくってきて、実際に農伝のチャペルで説教をしてもらい、その後みんなで講評の

時を持ちました。今回二人の学生は、前週の火曜日にあった戦争責任シンポジウムでの講師のお話の中で、

「愛の反対は憎しみではなく無関心である」と言われたようで、そのことに触れていました。エフェソの信

徒への手紙のテキストには、新共同訳の表題に「キリストの愛を知る」とありますように、「信仰によって

あなたがたの心の内にキリストを住まわせ、あなたがたを愛に根ざし、愛にしっかりと立つ者としてくださ

るように」とか「・・・キリストの愛の広さ、長さ、深さがどれほどであるかを理解し、人の知識をはるかに

超えるこの愛を知るようになり、・・・」という一節がありますので、愛についての講師の話がヒントになっ

たのでしょう。そのために、二人の学生の説教は「愛とは何か」という愛の定義づけの方向に向かっていっ

たように、私は二人の説教を聞いていて感じました。テキストそのものの語りかけに即することよりも、講

師の愛を定義する言葉に引きずられてしまったように思えてなりませんでした。講評では、他の7人の学生の

感想と意見、それに対する二人の応答の後、私は上記のような感想を述べました。私も同じようなことをし

たことがあるように思います。説教準備の時に説教テキストに関わるインパクトのある言葉を、本で読んだ

り人から聞いたりすると、その言葉に引きずられてしまうことがあるように思います。その結果、そのよう

な言葉を、テキストそのものからくる語りかけに関係づけようとして少し無理をしてしまうことがあるもの

です。テキストをして語らしめるということはなかなか難しいことです。説教演習の後説教学には二人の学

生が受講しています。できるだけ説教学に関係のないことでも学生からの質問に応答するようにしています

が、最近二人から私の持っている本を借りたいという申し出を受けて、本をお貸ししました。一人は1960年

代後半に山谷に入って集会をしておられた伊藤之雄さんの遺稿集です。他の授業で伊藤之雄さんのことを知

って、伊藤さんの『神なき時代』は読んだが、他に伊藤さんの書いたものはないかと聞かれて、遺稿集を持

っていましたので、それをお貸ししました。私は1963年から1969年まで東京神学大学で学びましたが、神学

生時代に一番影響を受けたのが伊藤之雄さんでした。伊藤さんがしておられた山谷の集会にも、伊藤さんが

住んでいたドヤにもお尋ねしたことがあります。伊藤之雄さんに興味を持つ学生がいることに、驚きと嬉し

さを覚えています。もう一人の方からはツィンクの『現代の祈り』を貸してもらいたいと言われて、お貸し

しました。この方は私がブログでツィンクの『現代の祈り』から引用している文章を見て、私がその本を持

っていることを知り、借りたいと言われたので、お貸ししました。この方はツィンクの『現代の祈り』に引

用されているジャズ演奏家デューク・エリントンの言葉に感動したようです。それはこういう言葉です。

「第70回目の誕生日に際して私が望むことは何かって? 私は、祖国の自由に加えて、憎しみからの自由、

恐怖からの自由を望む。なぜなら、恐怖から自由な者のみが他人のために働くことができるからだ。そして

また、自分の兄弟より自分を優れた者だと考える優越感からの自由を望んでいる、と」。農伝は小さな神学

校ですが、そこでもいろいろな出会いがあり、豊かな学びの場になっています。農伝を支えてくださいます

ように。

・23日(木)には午後4時半から高座渋谷教会で基地・自衛隊問題小委員会があり、私も委員の一人ですの

で出席しました。今年度の集会として佐世保から佐世保教会牧師のFさんを講師として招き、佐世保の基地の

状況をお話ししてもらうことになりました。昨年度は岩国から岩国教会のO牧師を招いて岩国基地の状況を話

してもらいました。現在安保法制の成立施行によって、日本の自衛隊は米軍と一体となって、アメリカの戦

争に巻き込まれて他国への武力攻撃を加える可能性が大きくなっていますので、それぞれの地域での報告を

お聞きして、各地域との結びつきを持った活動の可能性を探っていきたいと思っています。また、今年は8

月14日15:00から紅葉坂教会で教区社会委員会主催の平和集会がありますが、講師は憲法学者の木村草太

さんで「憲法状況から戦後日本の民主主義を問う」というテーマで講演してもらうことに決まったようです。

今年の平和集会宣言の原案は基地自衛隊問題小委員会の担当で、私が書くことになりました。集会宣言の原

案は今まで書いたことがありませんが、何とかやってみなければと思っています。

・25日(土)は教区総会でした。詳しい報告は別の機会にして、常置委員会提案の私の免職撤回と聖餐論

議の場の設定を求める教団総会議案は、154人中112人の賛成で可決されました。