5月16日(日)復活節第7主日礼拝(10:30開始)
(注)讃美歌奏楽はインターネットでHさんが検索してくれました。
⓵ みなさん、おはようございます。今から礼拝を始めます。しばらく黙祷しましょう
(各自黙祷)。
② 招きの言葉 「主をたたえよ、日々、わたしたちを担い、救われる神を。この神はわたしたちの神、救いの御業の神。主、死から解き放つ神」。
(詩編68:20-21)
③ 讃美歌 500(神よ、みまえに)
http://www.its.rgr.jp/data/sanbika21/Lyric/21-500.htm
④ 主の祈り (讃美歌93-5A)を祈りましょう(各自祈る)。
⑤ 交 読 文 詩編93編1-5節(讃美歌交読詩編103頁)
(当該箇所を黙読する)
⑥ 聖 書 聖書 創世記6章5-22節(旧約8頁)
(当該箇所を黙読する)
⑦ 祈 祷(省略するか、自分で祈る)
⑧ 讃 美 歌 226(輝く日を仰ぐとき)
http://www.its.rgr.jp/data/sanbika21/Lyric/21-226.htm
説教 「ノアの洪水物語」(その1) 北村慈郎牧師
祈祷
- 創世記の原初史によれば、最初の人間アダムとエバの責任転嫁、その子供であるカインとアベルの兄弟殺しという的を外してしまった人間の悪は、地上に人が増えることによって増し加わっていきました。
- 復讐から守られる「しるし」を神から与えられたカインは、ノド(さすらい)の地に住み、町を建て、結婚し、子どもを与えられて、その子孫が増えていきます。
- 一方アダムとエバには、カインに殺されたアベルに代わって新しい子が与えられ、その子はセトと名付けられます。≪セトにも男の子が生まれた。彼はその子をエノシュと名付けた。主の御名を呼び始めたのは、この時代のことである≫(4:26)と言われています。
- 創世記5章にはアダムの系図が記されています。セムからノアまでの系図で、その最後に≪ノアは五百歳になったとき、セム。ハム。ヤフェトをもうけた≫(5:32)で終わっています。
- カインの末裔とセツ→エノシュの末裔によって地上に人が増えていきます。すると人が増えるに従って、人の悪も増していったというのです。それを見て、人を造った神は「後悔し、心を痛められた」と6章6節に言われています。≪主は地上に人の悪が増し、常に悪いことばかりを心に思い計っているのを御覧になって、地上に人を造ったことを後悔し、心を痛められた。主は言われた。「わたしは人を創造したが、これを地上からぬぐい去ろう。人だけでなく、家畜も這うものも空の鳥も、わたしはこれらを造ったことを後悔する・・・」≫(6:5-7)と。
- 私は、聖書を読むようになって、この個所を初めて読んだときの衝撃を今でも忘れることができません。
- 創世記1章の神による人間の創造の記事では、神は創造された人間を祝福したと言われています。≪神は御自分にかたどって人を創造された。男と女に創造された。神は彼らを祝福して言われた。「産めよ、増えよ、地に満ちて地を従わせよ。海の魚、空の鳥、地の上を這う生き物をすべて支配せよ。・・・」≫(1:27,28))と。
- 神は人間を創造し、祝福されました。その神が人間の悪がはびこるのを見て、人間を創造されたことを「後悔し、心を痛められた」というのです。<人間の悪は、神ヤㇵウェに創造主としての業を「悔い、その心を痛ませる」程に、否、神の創造の業さえも変更させてしまう程に、重いということ」(月本)です。
- ≪わたしは人を創造したが、これを地上からぬぐい去ろう。人だけでなく、家畜も這うものも空の鳥も、わたしはこれらを造ったことを後悔する。しかし、ノアは主の好意を得た≫(6:7,8)。
- ここでノアの物語を思い起こして見ましょう。
- 「ここに、主が愛されたひとりの男がいました。その人は正直な働き者で、名前をノアといいました。神は彼とその妻、セム、ハム、ヤフェトの3人の息子とそれぞれの妻を救うことにされました。」
- 「神はノアに言われました。『世の中はすっかり悪くなってしまった。そこでわたしは、わたしがつくったすべての生きものを滅ぼすことにした。しかしノア、あなたとあなたの家族は救うことにする』」。
- 「わたしは地をおおう洪水を起こす。あなたはゴフェルの木で箱舟をつくり、アシで屋根を張り、内側にも外側にもタールを塗りなさい。箱舟の長さは300アンマ(135メートル)、幅は50アンマ(22・5メートル)、高さは30アンマ(13・5メートル)にし、横に戸口と窓のある3階建てにしなさい。中にはあなたと家族のための部屋をつくりなさい。そしてすべての生きもの、獣、地にはうもの、鳥をそれぞれ雄と雌のひとつがいずつ入れなさい。さらにその生きものたちとあなたがたに十分な食糧を用意しなさい。雨は40日40夜降り続け、地上の生命はすべて跡形もなくなってしまうのだから。」
- 「ノアはすべて神がいわれたようにしました。彼は息子たちとともに舟をつくり、水がしみ込まないようにし、人間にも獣にも十分な食糧をいろいろと積み込みました。用意を何もかも整え、すべての動物を箱舟に入れ、その後で自分たちも中に入りました。そして入口の扉をしっかりと閉めました。」
- すると「空は暗くなり、雨が降りはじめました。そして40日40夜、雨は降り続きました。水かさは増し、箱舟は浮かび上がり、山ほどの高さまで押し上げられました。山並みも水におおわれ、生きものすべて息絶えてしまい、地上には生きものが何ひとついなくなりました。」
- 「しかし神は、ノアと、彼とともに箱舟にいるものたちのことをお忘れにはなりませんでした。しばらくして雨はやみました。何日かたつと激しい風が吹き、その風も収まると、水がゆっくり引きはじめました。そして箱舟はアララト山の頂上に止まりました。」
- 「時がたち、ノアは外の水が引いたかどうかを確かめようと思いました。窓を開けて一羽のカラスを放ち、鳥が降り立つ場所を見つけられるかどうかようすを見ました。カラスはあちらこちら飛び回ったが、水のほかには何もみつけられませんでした。」
- 「次にノアはハトを放ちましたが、地はまだ水におおわれていて、カラスと同じようにどこにも降り立つ場所を見つけることはできませんでした。箱舟に戻ってきたハトをノアは優しく迎え入れました。7日後、ノアは再びハトを放してみました。すると今度は、夕方になってくちばしにオリーブの葉をくわえて戻ってきました。ノアは水が引いたことを知り、さらに7日待って、もう一度ハトを放しました。今度はハトは戻ってきませんでした。ノアは箱舟の窓を開けて外を見ると、地面は乾いていました。」
- 「神はノアにいわれました。『さあ、あなたもあなたの妻も、息子もその連れ合いも、いっしょに入っていた生きものすべて、箱舟から出なさい。これからは、あなたやあなたの子ども達が世を治め、地の獣や空の鳥、海の魚があなたがたの食糧となるだろう』。」
- ノアは感謝のしるしに祭壇を設け、神にささげものをしました。神はささげられたいけにえを喜ばれ、ノアとその家族を祝福され、彼らの子孫が地上にあふれるであろうといわれました。神がこの祝福のことばを発せられたとき、空に虹が現れました。」
- 「神はいわれました。『この虹は、この世が二度と洪水で滅ぼされることがないというしるしである。わたしが空に雨雲を広げたあと虹が出るのを見れば、わたしがあなたがたやこの世のすべての生きものと交わした約束を思い起こすであろう』。」
- これがノアの物語です。
- バビロニアの王様は自分の国に連れてきたイスラエルの人々に強制労働をさせましたが、イスラエルの人々が一緒に生活し、イスラエルの人々が神を礼拝することは認めました。このノアの箱舟を最後にまとめたこの捕囚の民の指導者である祭司たちは、なぜ神様は自分たちをバビロニアの脅威(侵略)から救ってくれなかったのかと考えました。自分たちは神にも見捨てられてしまったのだろうかと。
- この聖書の記者である捕囚の民の指導者である祭司たちの問いは、今の私たちならば、なぜ神はこの世界の苦しみから私たちを救ってくれないのだろうかという問いと同じです。神は救いの神ではなにのだろうかと。
- この聖書の記者である捕囚の民の指導者である祭司たちは、こう考えたのです。神は救い神であると共に、創造の神であると。イスラエルの王国時代に至るところにはびこった暴力と腐敗に、神はイスラエルの民をつくりかえようとお考えなのではないか。そのために自分たちイスラエルの民をバビロニアに引き渡したのではないか。
- アダムの子孫に変わって、一度洪水ですべての生きるものを滅ぼし、ノアからはじまる新しい人類と生きものの歴史をやりなおしたように。
- ノアの物語は再創造の物語です。一度神はアダムを造り、アダムから全世界に人間が広がっていったという最初の創造に関与しました。しかし、アダムとアダムの子孫は、神に背き、この世に悪がはびこりました。暴力と腐敗が蔓延し、神は地上に人を造ったことを後悔し、心を痛められ、人を地上からぬぐい去ることにしました。しかし、「ノアは主の好意を得た」のです。そしてノアから始まる新しい歴史を神は再創造されたのです。
- 神は人間の自由意志を大切にされます。ご自分のお考えを、自由意志ではなく、機械仕掛けの人形のように守るように人間をお造りになりませんでした。強制的にではなく、自分の自由から喜んで神のみ心を自分の心として歩む人間を、神は求めているのです。
- この地上にひろがる暴力と腐敗を、神はどんなに悲しみ、御自身のからだに受けてどんなに深い痛みを感じておられることでしょうか。ノアから始まる人類の歴史もアダムの子孫と同じでした。しかし、神は二度と再び人間と生きものを全部滅ぼすことはしないとノアに誓いました(8:20以下)。
- 以前私は紅葉坂教会の牧師時代に、日曜学校のスタッフと共に「わたしたちの告白」という信仰告白をつくりました。その中では、「神さまはわたしたちを招いてくださいます。イエスさまとともに生きる群れとなるために 神さまがともにいてくださることを喜び、祝うために かけがえのないいのちを大切に生きるために 他者を愛し、平和を実現するために」と告白しています。イエスと共に新しい人間として私たちが生きるようにと、神が招いてくださっているという告白です。
- ノアは、暴力と腐敗がはびこり、神に逆らい欲望の奴隷になっている人々の中で、人々から馬鹿にされながら、黙々と箱舟を造って、神に命じられたように人間とすべての生きものの絶滅を救うために働きました。そのノアの生き様は、イエスに従う者の生き様を告知しているのではないでしょうか。
- 私たちに与えられた箱舟を黙々と造っていきたいと思います。
祈ります。
- 神さま、今日も教会で皆が集まってする礼拝はできませんが、このようにメール配信によって共に礼拝にあずかることができ、感謝します。
- 神さま、今日はノアの洪水物語を通して、私たち人間の悪と腐敗をあなたは嘆き、人間をつくったことを後悔し、心を痛めて、箱舟に残されたノアの家族と生き物以外のすべての人間と生き物を洪水によって滅ぼされたことを、改めて考えさせられました。今の世界の状況も、人間同士による、また国家間による奪い合いと殺し合いの現実は、ノアの洪水前の人間の悪と腐敗に満ちた状況と変わらないように思われます。けれども、あなたは二度と人間と生き物を滅ぼすことはしないと誓われ、あなたの私たちに対する最後的な介入をイエスを通してなさっておられます。
- 私たちは、そのあなたの招きに応えてイエスを信じ、あなたの新しい創造の業に参与している者たちです。どうか人間のおごりと高ぶりから来る悪と腐敗に巻き込まれることなく、あなたを信じ、ノアのように現代において箱舟を造る業に参与することができますように、私たちをお導きください。
- 新型コロナウイルス感染拡大の中、命と生活が脅かされている人が多くなっています。どうぞその一人一人の命と生活が守られますように。
- この状況の中で、競争社会のほころびがさまざまなところで現れてきています。パンデミックの中でも、私たちが共に支え合って生きていくことのできる社会をつくることができますように。
- 神さま、今日から始まる新しい一週の間、私たちの仲間の一人一人をその場にあってお守りください。
- 様々な苦しみの中で孤独を強いられている方々を支えて下さい。
- 今日から始まる新しい一週の全ての人の歩みを支えて下さい。
- この祈りをイエスさまのお名前を通してみ前に捧げます。 アーメン
⑩ 讃 美 歌 18(「心を高くあげよ!」)
http://www.its.rgr.jp/data/sanbika21/Lyric/21-018.htm
⑪ 献 金(後日教会の礼拝が再開したら捧げる)
⑫ 頌 栄 28(各自歌う)
讃美歌21 28(み栄えあれや)
https://www.youtube.com/watch?v=3l91WrdhoAo
⑬ 祝 祷
主イエス・キリストの恵み、神の慈しみ、聖霊の交わりが、私たち一同の上に、また全ての人の上に豊かにありますように。 アーメン
⑭ 黙 祷(各自)
これで礼拝は終わります。