なんちゃって牧師の日記

説教要旨と牧師という職業で日々感じることを日記にしてみました。

親子の関係

最近のニュースで目立つのは幼い子どもが犠牲者になる事件や少年、青年の殺人事件です。その中で家に放火した高校生と医者の父親の関係が報道されるのを聞いて、まだこんな親子の関係があるのかと驚きました。もうどのくらい前になるでしょうか。高校生の息子が父親を金属バットで殴り殺す事件があり、セインセイショナルに報道されたことがありました。確かその場合も父親は大学教授で、祖父も有名な英文学者だったように思います。こういう事件が起こる背景には、親と子の関係性があると思われます。

私自身今35歳になっている長男が中学生の頃、取っ組み合いの喧嘩をしたことがあります。何が原因だったのかは忘れてしまいましたが、このまま突き進めば、殺し合うところまで行くのではないかという不安を一瞬感じたことがあります。その時私は柔道をしていた中学生の息子の腰に完全にのせられ、投げ飛ばされるのかと思いましたが、息子はいたわるように私の体を床に置きました。それ以来私は実力でやり合うことはしないことにしました。

私の場合は、自分が牧師ですから息子に牧師になれなどとは思いもしませんし、そういうことを言ったことは全くありません。長男は少し反抗的なところがありましたので、頭にきて叱ったに過ぎません。子どもの将来に対して親として自分の願望を押し付けるなどということは、全く考えたこともありません。本人が自分で選ぶ道を応援こそすれ、否定するなどということは自分としては全く考えませんでした。

最初から親と子は別人格だと思っていましたし、子どもの人生は子どものものであり、親が子どもの人生に介入するなどということはもってのほかだと。それが、今回の少年と父親の場合のように、子どもに自分の願望を投影するのは当たり前だと考えている親が今でもいるということにショックを受けました。

何故なら、この事件は、たとえ親子であってもお互いに神の前に別人格として尊厳を与えられた固有な存在であるということが、現在の日本社会ではまだ希薄であるということを物語っているからです。