なんちゃって牧師の日記

説教要旨と牧師という職業で日々感じることを日記にしてみました。

在ることの大切さ

横浜から千葉の木更津までは、横浜駅東口バスターミナルからアクアラインを通って木更津まで行くバスがあります。渋滞しなければ50分です。本数は余りありませんが、この路線は大変便利です。

アクアラインがなかった時は、横浜駅から横須賀線総武線内房線に繋がる君津行の電車によって木更津まで行きました。その頃は約2時間かかりましたし、費用もバスよりもJRの方が高かったと思います。

私は年に数回この路線を利用して、木更津から久留里線に乗って約1時間の上総松丘というところにある高齢者のコロニーのような所に行きます。そこには11階建てL字型の有料老人ホーム、特別擁護老人ホーム、老人保健施設、デイサーヴィスセンター、それに病院もあります。

高齢者だけの施設群が小高い山の上に建っていて、小さな村を作っているのです。そこに行く途中には、君津市立中学校があり、幼稚園がありますが、ホームとの関係は直接にはないようです。

私が所属する教会に関係する方が一人、現在はそこの病院にいます。最初は老人保健施設に入所しました。個室でした。その方は犬が大好きな方です。大分前に犬の散歩中に交通事故にあい、横浜市磯子区の脳外科の病院に入院しましたが、その病院を退院してからこの施設に入所しました。ここに来てから7、8年は経つでしょう。
今は病院のベットに寝たきりです。私が名前を呼んだり、話しかけても、私の顔は見ますが、反応は余りありません。この方は以前教会でオルガンをひいていましたし、女声合唱団の指揮もしていましたので、私はお訪ねするときは、必ず賛美歌の伴奏の機械をもっていき、それに合わせて何曲か私が賛美歌を歌うようにしていています。賛美歌には今でも少し反応します。

最後にお祈りしてお別れします。この方はお子さんがいませんし、お連れ合いにも先立たれ、甥の方のお世話を受けていますが、殆ど天涯孤独な人です。90歳になられたでしょうか。からだをベットに横たえ、人の世話を受けて命を紡いでいます。

私は、自分からは殆ど何も出来ませんが、与えられた命を担いで生きている、この方のような一人一人が本当に大切にされる社会こそが、人間の社会として最も望ましい社会ではないかと密かに思っています。