なんちゃって牧師の日記

説教要旨と牧師という職業で日々感じることを日記にしてみました。

ラストチャンス?

教育基本法の改悪案が衆議院の委員会を通過し、衆議院本会議でも可決されようとしています。
現在の教育基本法を読む限り、私はこれを変える必要を全く感じません。何よりも個人の価値と尊厳を大切にするものだからです。現在の教育基本法の前文の一節を紹介します。
「われらは、個人の尊厳を重んじ、真理と平和を希求する人間の育成を期するとともに、普遍的にしてしかも個性ゆたかな文化の創造をめざす教育を普及徹底しなければならない。」
現在の教育基本法の理念は大変立派なものです。これが現実の日本の教育界で生かされてこなかった原因と理由を追究し、この現在の教育基本法の理念を真に生かす施策を政府(行政)は考えるべきであって、教育基本法の改悪をめざすのはそもそも問題解決としては筋違いです。
政府は「愛国心」をということのようですが、国民(民衆)が心から愛することのできる国を作ってこなかったくせに、愛国心をもつ子どもを育てる教育をというのは、どう考えても責任転嫁も甚だしいと思います。
国民(民衆)の多くはまだ政府を支持しているようですが、これだけ裏切られてきた政府を今も支持する気持ちが、私には分かりません。
民主主義の社会では国民(民衆)の意識が政治をコントロールするものです。国民(民衆)がしっかりと公共空間としての社会や政治の世界をどのように形成するかをイメージし、選挙でその意思をはっきりと示す。これが最低限の国民(民衆)のモラルです。
教育の荒廃(いじめや自殺等)や行政の腐敗(裏金や汚職など)をはじめ社会の問題のほとんど全ては国民(民衆)である私たちの責任であるという自覚をもって、この私たち自身がお互いにどう変わっていったら、今の社会の問題の克服に結びつくのか、よくよく考えていかなければ、本当に将来に禍根を残すことになるのは必定ではないでしょうか。私にはそのように思えてなりません。
これだけ問題と矛盾が顕在化している現在が、私にはラストチャンスのように思えます。

教育基本法憲法改悪が通り、国家主義的な政府が主導する体制が作られ、自衛隊が軍隊になり、共謀罪のような法律ができ、ますます日本の社会が監視社会化されていけば、国民(民衆)の自由は極端に狭められます。それこそ弾圧を覚悟しなければ、発言も行動もできない社会になってしまいます。反戦のビラを配っただけで逮捕されるわけですから、もう既にそうなりつつあるとも言えるでしょう。

闇の深まりの中で人は光を希求するものだと思いますが・・・・・。