なんちゃって牧師の日記

説教要旨と牧師という職業で日々感じることを日記にしてみました。

自分を生きる

先日朝4時過ぎに目が覚めてしまい、寝られなくなってしまいました。心がざわめいて、頭がくるくる回り始めてしまったのです。どんなことを考えていたかと言いますと、自分のやってきたことが余りにも不徹底ではなかっただろうかという、今までの自分の生き方への反省のような思いから始まりました。そして自分が数日で65歳になるのだが、これからの残された時間を自分としてどう生きていくのかということです。

以前観た映画ですが、「海を飛ぶ夢」という映画があります。その主人公は全身障がいをもっていて寝たきりの人ですが、自死を選ぶのです。そして周りの人もその人の自死に手を貸すのです。なかなか考えさせられる映画でした。

その映画の中に神父が登場します。セリフは忘れてしまいましたが、神父は主人公に自死という決断がいかに神に反する行為であるかということを、教え諭していたのだと思います。私が覚えているのは、そのような神父に対する主人公の言葉です。主人公は神父に「あなたはやかましい」と言いました。

私も牧師ですから、自分に言われたかのように主人公の言葉が心に刺さりました。私は35年以上も牧師として働いてきましたが、生か死かというギリギリのところで生きている人には、自分もこの映画の神父のように「あなたはやかましい」としか言われないのだろうなあと思ったのです。ちょっとさびしい気持ちになりました。

だからと言って、それでは今からやかましくない言葉をお前は紡ぎ出せるのかと言われれば、ハイ紡ぎ出せますと断言はできません。紡ぎだしたいとは思いますし、求めていきたいと思っていますが・・・・。

目が覚めて、寝られなくなってしまったのも、このことなのです。そしてそのことを考えているうちに、自分の不徹底さをあれこれ思いめぐらすハメになった次第です。

沖縄の知念ウシさんが書いていたことばを思い出しました。「もう二度と自分を殺してはいけない。それは他人を殺すことにもなるのだ。自分を生きるのだ」。

 残された時間、神さまと人の前に「自分を生きる」ことができればと、思っています。