なんちゃって牧師の日記

説教要旨と牧師という職業で日々感じることを日記にしてみました。

ある兵士の遺言

過日2・11思想・信教の自由を守る日の集会に参加したとき、講師から「靖国神社天皇陛下様 遺言」という、戦犯で死刑執行されたある日本兵の文章を紹介されました。この遺言という文章は以前に815日の靖国神社前で配られたチラシに書かれていたものだそうです。講師がその遺言を朗読するのを聞いて、私の体に衝撃が走りました。
 
ここに引用させていただきます。
 
銃殺刑を前に祖国の皆さんに訴ふ。
靖国は、侵略戦争を反省、各国にお詫びする神社にして下さい。
「英霊」「勲章」は拒否します。
戦争で日本軍は大変に悪いことをした。
私達に殺された遺族の皆様に申訳ない。
「聖戦」ではなく侵略であります。
天皇陛下も侵略を各国に詫びて下さい。お詫びは恥でなく、日本の良心  です。
日本はかつてのドイツにならぬように二度と武器を持たないで下さい。
国民党蒋介石軍の戦犯処刑の実体を帰国者から知って下さい。
岡村寧次総司令官などの戦争責任者や石井細菌戦部隊こそ厳重に処罰して 下さい。
吾身をつねり殺される立場になって、その痛さを知りました。
朝鮮民族伊藤博文に対する憎しみも日本に対する怒りもわかりました。
祖国日本の平和と良心は民族の反省なくしては得られません。
私達は日本軍の罪を背負って銃殺されてゆきます。
“蜂となり吾もゆきみん靖国の花は平和に咲きにほう日に”
   於 二十一年夏 北京国民党第十一戦区(蒋介石)草嵐子監獄
 
遺族の方がこの遺言をチラシにして815日の靖国神社で配ったのでしょう。この遺言は、戦後に生きる私たちすべての日本人に向けられているのではないではないでしょうか。これを残して銃殺されていった方の思いを継承していかなければならなと強く思わされました。
 
6月に入りました。これから8月にかけて、特に私たちは日本の国家がかつて犯したアジアへの侵略戦争のことを反省し、武力によらない平和な世界をつくり出すためにはどうしたらよいのかを考え、それぞれの場で平和をつくりだすために働いていきたいと願います。