なんちゃって牧師の日記

説教要旨と牧師という職業で日々感じることを日記にしてみました。

父北村雨垂とその作品(143)

 今日は「父北村雨垂とその作品(143)」を掲載します。


             父北村雨垂とその作品(143)


   原稿日記「一葉」から(その26)

 作品ペンギンは文芸日記兇143頁にあるが(このブログでは、「父北村雨垂とその作品」(67)に

掲載)、次のものが最初に発表したものの原型である。


      ペンギン


天井が咽喉をならし

  鎧戸が呑まれる

朝が

  私の顔にたたきつけられる

夢だった 道化師(ピエロ)は 汗を握ってゐた

ぜんそく疾の柱時計が

  ゴホン ゴホンと 八ッ

缼亡で

腹をふくらした ペンギンが

三、三、五、五、

  太陽を拒んだ職場へ

吸いこまれる


千仭の底へ いしくれ おどるのだ


みよ

からまわりする 思想で

跳ねかえされる權利と

相手から逆算した

明日の存在のために

みづからの骨肉をけづる

彼等 勤労者

だが

君等はそれでいいのだ


時間 空間 貨幣(キン)の王冠


天井の腹は 靜かに

鎧戸が ねむる

昼が

私へ 灰色にふくらむ


くるくる眞昼 目玉の上の道化師


時間の針の親子が

正午の下で 抱ようする

背徳で

腹をふくらした ペンギンが

一、一、二、二 と

太陽のあそぶ そふあーへ

はづませる


笑ってる 鬼の面だよ いしくれだ


みよ

絶壁を楯とする 思想で

創造した擬装の權利と

相手から強奪した

明日の存在のために

みづからの骨肉が ふくらむ

彼等 資本家

  だが君等は それでいいのだ


主觀 客觀 貨幣(キン)の 王冠


天井が 咽喉を鳴らし

鎧戸が 吐かれる

夜が

私の うちと そとを ひたす


道化師を消す 黒幕が 降りたのだ


柱時計の 心臓が

こつ こつ 無限に

虚無で 腹をふくらした ペンギンが

一、三、一、五

太陽を 埋めた 街路に

ゆられる


水に浮く それをいしくれ 夢にみた


みよ

喪失のなかの思想で

ちっそくした權利と

相手から 忘却した

明日の存在のために

みづからの骨肉を食らう

彼等 浮浪者

だが

君等は それでいいのだ


羅漢 円環 貨幣(キン)の 王冠