なんちゃって牧師の日記

説教要旨と牧師という職業で日々感じることを日記にしてみました。

判決文(その1)

 私の訴えに対する東京地裁民事第31部裁判官の判決全文を何回かに分けて掲載します。読みずらいと

思いますが、読んでみてください。いずれ判決の問題と批判を明らかにしたいと思います。

平成25年2月25日判決言渡 同原本領収 裁判所書記官
平成23年(ワ)第38119号 免職処分無効確認請求事件
口頭弁論終結日 平成24年12月3日
             判   決

    主  文

1 本件訴えをいずれも却下する。

2、訴訟費用は原告の負担とする。

    事実及び理由

第1 請求
 1 原告が被告の正教師としての地位を有することを確認する。
 2 被告が、原告に対して、平成22年9月30日付けで行った、教師退職年金給付額減額決定が無効  であることを確認する。
 3 被告は、原告に対して、1000万円及びこれに対する平成22年1月26日から支払済みまで5  分の割合による金員を支払え。 
第2 事案の概要
  本件は、原告が、宗教法人である被告に対し、被告により、平成22年1月26日に行
 われた、原告の正教師の地位の免職処分(以下「本件免職処分」という。)が無効であると
 主張して、(1)原告が被告の正教師としての地位を有することの確認を求め、(2)本件懲戒処
 分に引き続いて同年9月30日付けで行われた教師退職年金給付減額決定(以下「本件年金
 減額決定」という。)が無効であることの確認を求めるとともに、(3)本件免職処分が不法行
 為を構成すると主張して、不法行為に基づく損害賠償請求として、慰謝料1000万円及
 びこれに対する、本件免職処分の日である平成22年1月26日からの支払済みまで、民
 法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払いを求める事案である。
  被告は、いずれの訴えも法律上の争訟(裁判所法(昭和22年法律59号)3条1項)
 に当たらず、不適法である旨主張している。
1 前提事実(争いのない事実以外は、各項掲記の証拠等により認める。)
(1) 当事者等
ア 原告は、被告の正教師検定試験に合格した後、被告の中部教区総会の議決を経て、按手礼を領して正 教師の地位に就き、被告の被包括団体である宗教法人日本基督教団紅葉坂教会(以下「紅葉坂教会」と いう。)の招へいを受けて、平成7年4月1日に紅葉坂教会主任担任教師に就任した者である。
イ 被告は、日本におけるキリスト教プロテスタント諸教派が合同して設立した宗教法人であり、信徒 数約19万人、教会数約1700である。
(2) 原告と被告との紛争の経緯
ア 紅葉坂教会では、洗礼を受けていない者も参加できる聖餐を行っており、原告も、平成11年3月2 1日になされた紅葉坂教会の教会総会の決定以後、上記のような聖餐を執り行ってきた。
イ 被告は、上記のような聖餐が被告の教義の解釈に反するとして、原告に対し、平成19年10月 以 降、2回にわたり、上記のような聖餐を中止するか教師を退任するように勧告したが、原告は、これに 応じなかった。
ウ 平成20年7月、被告の常議員会(以下、特に断らない限り、各機関は被告の機関を指す。)にお  いて、勧告に従わない教師については戒規処分に付すべきであるとの議決がされ、常議員会議長が戒規 申立人となり、教師委員会に対し、原告を戒規処分に付すべきであるとの戒規申立て(以下「先行戒規 申立て」という。)が行われ、教師委員会において受理された。
エ 平成20年10月21日から同月23日まで開催された第36総会において、_鋧処分に対する上 告を受理する立場にある教団総会議長が、常議員会に戒規申立てを発議することは、戒規施工細則6条 に抵触すること、⊂赦贈毅鞠7月7日信仰職制委員会答申において、教会担任教師に対する戒規の提 訴権者は教会役員会又は教区常置委員会に限られるとされており、総会議長が常議員会に発議し、常議 員会が戒規申立てを行うことは、先例に反すること、8狭陲紡个垢覯鋧申立てを行うことは常議員会 の処理事項の範囲を超えるものであり、これを常議員会において審議し、議決することは違法であるこ とを理由として、先行戒規申立てを行う決議の無効を確認する議案が上程され、審議の結果、可決され た(以下「先行無効決定」という。)。
オ 教師委員会は、平成21年7月13日、教師委員会の内規である教師委員会内規(甲4の1)を改正 し、何人でも戒規申立権者となり得るものとした。
カ 同月31日、常議員の一人が信徒個人の立場において、教師委員会に対し、原告の戒規申立てを行い (以下「本件戒規申立て」という。)、教師委員会はこれを受理した上で、改正後の内規(甲4の1) に従って、調査員会を設置した。これにつてき、教師委員会から原告に対して通知はされず、原告は、 同年10月19日の常議員会において本件戒規申立てが受理されたことを知った。
キ その後、教師委員会は、原告に対し、面談を申し入れたところ、原告は、これにつき、猶予を求め  た。
ク 被告は、平成22年1月26日、原告を免職する旨決定し(本件免職処分)、同月27日、教師委員 会委員長は、原告に対し、原告を免職することを内容とする文書(甲2.以下「本件免職処分通知書」 という。)を交付し、また本件免職処分を、全国で発行されている被告の機関誌である「教団新報」(甲14)において公表した。
  本件免職処分通知書には、「貴殿が、聖礼典執行に関し、度重なる勧告を受くるにも拘わらず、日本 基督教団教憲および教規に違反して続けていることを認め、かつ、日本基督教団常議員として教会の徳 を建つるに重大な責任を有する者たることに鑑み、教規141条、戒規施工細則第1条及び第4条(4)にほり免職処分とする。」との記載がある。
ケ 原告は、本件免職処分を不服として、同年2月12日、戒規施工細則6条に基づき、被告における不 服申立て手続きである上告を行い(以下「本件上告」という。)、審判委員会に対し、上告理由書を提 出した(甲18、19)。
コ 審判委員会は、同年9月15日、原告の上告理由は、教憲、教規に照らして上告理由に当らないと判 断し、総会議長は、同月21日、原告に対し、同決定を通知した(甲20)。
サ 同月30日、被告は、原告に対し、教師退職年金等規則に基づき、原告への年金給付を25パーセン ト減額する旨決定した(本件年金減額決定)。
(3) 被告における規則等の定め
ア 被告において、戒規は、教団及び教会の清潔と秩序を保ち、その徳を建てる目的をもって行うとさ  れ、その内容は、戒告、停職、免職、除名とされている(教規141条、142条、戒規施工細則)。
イ その他、被告においては、別紙規程集記載のとおりの規則等が定められている(甲1)。