なんちゃって牧師の日記

説教要旨と牧師という職業で日々感じることを日記にしてみました。

黙想と祈りの夕べ通信(256)復刻版

 今日は、朝5時半過ぎに鶴巻を出て、船越教会に行き、10時ごろまで作業をして、紅葉坂教会の信徒の

方の葬儀式に出席して、鶴巻に帰ってきました。召された方は102歳の方です。生前この方との交わりで

思い起こすのは、この方が90代後半になって、耳が大分遠くなっていましたが、この方が住んでいた保土

ヶ谷の家庭集会で、12月のクリスマスの時期でしたが、司会をしてくださったことです。聖書の朗読、お

祈りを、大きな力のある声でしてくださいました。お祈りは、健康を与えられていることへの感謝ととも

に、世界の状況に触れて、平和な世界となるようにと祈られました。
 
 ご遺族の上に主にある平安をお祈りいたします。


          黙想と祈りの夕べ通信(256[-47]2004・8.22発行)復刻版


 2回黙想と祈りの夕べをお休みしました。8月25日(水)から再開します。

私はこの黙想と祈りの夕べ通信を年に数回約50人ほどの人にまとめて送っています。教会員でない方で

紅葉坂教会を通して関わりを持った方にも何人か送っていますが、その中のお一人にTさんという方が

います。この方はK・Yさんの近況を電話で聞いて来られた方です。お目にかかったこともありません。

礼拝にも出席したいという気持ちはあるのですが、実際には難しいということでしたので、通信を送るよ

うにしています。7月末に約半年分をまとめておくりましたら、郵便局の定額小為替での献金が同封され

たお手紙をいただきました。その一部を紹介させていただきたいと思います。

 「・・・暑いといえばイラクはどうなるのでしょうか。アメリカ国民が大統領を変えれば、収まるので

しょうか。日本は? 憲法九条は? 次の世代の人達に戦争のない国をゆだねるためにも、今私達がふん

ばらなくてはと思います。激動の昭和と云われる時代に育った私は、学童疎開を経験・空襲・敗戦と正に

すべてを味わいました。そしてこの年齢になって悟ったことは大人にダマサレテいた、「国民小学校」の

教育を受けなければならなかった、です。教科書は満州開拓を美化して私の頭に焼きつけたのでした。同

じ経験を自分の孫達には決してさせてはいけないと思っています。暑い暑い毎日の中で八月がめぐって来

る度に『こしかた行末』を考えます。・・・」

 8月14日(土)神奈川教区社会委員会主催の2004年度の平和集会が当紅葉坂教会を会場にして行わ

れました。講師はイラクの取材活動を続けている志葉玲さんというフリージャーナリストの方でした。お

話は「イラク報告―今なお続く占領と自衛隊」という題で、志葉さんが自分で撮影してきた写真をプロジ

ェクターで礼拝堂の壁に映し、それを説明するという形でなされました。実際に現地の状況を見てきて、

イラクの人の話も聞いて来られた志葉さんの話は大変説得力がありました。いかに日本政府の自衛隊派遣

が、復興支援と言われながら、イラクの人々からも反発を受けているかということがわかりました。深刻
な水不足のイラクの人々に日本の自衛隊が運ぶ水は、一つの町に一週間一度でそれもわずかなので、ほと

んど役立っていないということです。その反面サマワ自衛隊基地では毎日自衛隊員は風呂に入れるよう

になっているということでした。我々の税金から賄われる自衛隊派遣のための費用をNGOの活動に回した

ら、イラクの人々がどれだけ助かるかと、志葉さんはおっしゃっていました。アメリカとの同盟関係を理

由に自衛隊イラクに派遣している日本政府を選んでいる私達が問われているのだということを、志葉さ

んは声を大にして訴えていました。

 私は平和集会の前に最近出版された吉本隆明の『戦争と平和』を読んでいました。これは1995年に

吉本が母校でした講演ですが、吉本は現在では国軍を持たないという憲法九条が解釈によって実質上日本

は国軍をもったという状態になっているので、憲法九条を掲げるだけでは、戦争をしようとする政府を止

めることはできない。その可能性があるとすれば、半数以上の賛成があれば政府をリコールすることがで

きるという国民のリコール権を認めされることにあるのではないかと言うのです。そしてこれは以前から

の吉本の持論ですが、高度消費資本主義社会(吉本は超資本主義社会と言う)にある日本のような社会で

は経済的にはすでに潜在的に国民の方に主権が移行しているというのです。選択消費(生存のために消費

ではなく、いわば買い控えても生きていくためにはそれほど支障のない消費)を控えるということを国民

が一致して行えば、消費が低迷してどんな政府でも倒れてしまうからだと。国民が一致して消費を控える

ことがなかなかできないことなので、この吉本の考えは非現実的なように思われますが、私は前々から密

かに現在行われている諸々の平和運動よりも吉本の考え方の方に実効があるように思っている者です。