なんちゃって牧師の日記

説教要旨と牧師という職業で日々感じることを日記にしてみました。

船越通信(135)

        船越通信癸隠械機 。横娃隠廓11月24日               

・11月17日(日)は礼拝後12時30分から、Tさんの尽力で「標的の村」ビデオ上映会を行いまし

た。「標的の村」は、沖縄の高江での反基地闘争のドキュメントです。私は以前辺野古テント村の

座り込みに一人で行った時に、ちょうど高江で防衛施設局による米軍基地内への資材持ち込みに反

対しての座り込みが始まった頃で、辺野古に来ていた大学生が高江に行くというので、その車に便

乗させてもらって高江に行ったことがあります。私たちが高江に着いたときには、既に防衛施設局

側の人や業者が帰った後でしたが、支援者の人たちが沢山集まっていて、資材持ち込みに抵抗した

後だったので、皆まだ緊張と興奮が冷めていない状態でした。その時は高江の座り込みが村人を中

心に始まってから、まだそれほど時間が経過していなかったのではないかと思います(3年前の夏

に平良修牧師の運転する車で高江に行った時には、相当支援者の層が厚くなっているのを感じまし

た。以前は辺野古テント村にいた人も、今は高江に来ているという人も何人もいました)。その時

に、昨年7月の衆議院選に立候補した沖縄の山城博治さんが、沖縄平和センター事務局長として高

江に来ていて、マイクで演説して、高江の座り込みに平和センターも支援していくことを訴えてい

ました。その時、山城さんという人とはじめてお目にかかりましたが、小柄な人ですが、闘争心旺

盛で演説の上手な人という印象でした。高江は沖縄北部のヤンバル地区にあって、米軍基地がなけ

れば、静かな村です。元々の村民だけでなく、その自然との共生を求めて高江に移住している人も

いるようです。米軍基地のフェンスが張り巡らされていて、ヤンバルの森も痛々しい感じがしまし

た。その高江にヘリパット基地の建設が進められています。日本政府は何を考えているのか、本当

に腹立たしく思います。主権在民という民主主義の原理を封殺しているとしか思えません。「標的

の村」ビデオを見て、改めて沖縄に犠牲をしわ寄せしている日本政府と我々ヤマトの人間の在り様

が問われる思いをしました。自分なりに高江の反基地闘争に連なっていきたいと思っています。

・17日(日)は、18:00から紅葉坂教会で第58回かながわ明日の教団を考える会がありました。こ

の日は前日も教区の社会委員会主催の拡大社会委員会が高座渋谷教会であり、その前にもいろいろ

と集会が続いていましたので、出席者が少ないのではと思っていましたが、それほどでもなく約20

名が参加しました。話し合った内容は、教団の改訂宣教基礎理論第二次草案、神奈川教区の東北震

災支援、私の裁判支援についてです。特に最初の教団改訂宣教基礎理論第二次草案についての話し

合いの中で、この草案の宣教論については、きちっと戦時下の教団成立や戦責告白、万博東神大

題、教師検定問題、合同のとらえなおしの問題を踏まえて、今日の教団の教会の宣教とはどうある

べきかについて私たちの側から提起して行く必要があるということ。と同時に、教区総会という

様々な立場の人が出席する場で、内容的な議論の展開をそれぞれの発言を通してやっていくことを

確認しました。かながわ明日の教団も、2002年暮れに立ちあがったときには、第33回合同後18回教

団総会で当時の沖縄教区議長の山里勝一牧師が「さようなら」と言って総会場を後にして、沖縄教

区が教団との間に「距離を置く」ようになった直後のことでした。教団・教区政治への対応を中心

に会を立ち上げました。それから約10年が過ぎましたが、今後は教団・教区政治だけではなく、戦

責告白後40年を踏まえた教団教会の宣教の方向性を明確にしていくことによって、現在の教団執行

部とは違った、もう一つの各個教会の宣教の働きに資する働きもしていく必要があることが話し合

われました。

・この週には、20日(水)には憲法に関する「みんな集まれ!憲法があぶない!」集会、21日

(木)には「特定秘密保護法」反対集会がありました。私はどちらも予定された集会があって参加

できませんでした。特に「特定秘密保護法案」については、自民党公明党と共に野党であるみん

なの党や維新を抱き込んで、今国会で成立させようとしています。この法案の危険性については、

かつての治安維持法に通じるのではないかということを含めていろいろと言われています。私もイ

ンターネットから法案全文をプリントアウトして読んでみましたが、何を秘密にするかは、行政機

関の長の判断で決められることになっています。その判断が正しいのかどうかをチェックする第三

者機関はありません。ですから、私がいただいた「秘密保護法」のパンフレットにもありますが、

私たちは、何が秘密なのか知るすべも無く、知らずに話したことが秘密の漏えいとして処罰される

恐れもあるのです。また、特定秘密を扱う公務員や民間企業の職員らは、秘密を漏らす恐れが無い

か、「適正評価」として個人生活を多くの項目で調査されます。本人だけでなく、家族、親戚、友

人、取引先等広く対象とされます。ですから、その一人に私たちがなる可能性もありますので、私

たちはいつ自分のプライバシーが監視・調査されているか知ることもできません。また、市民活動

として情報を得ようとすることも、特定秘密として指定された情報の場合は私たちが処罰の対象と

なります。ということで、この法案が国会を通ると、大変な監視社会になっていくのではないかと

思います。何とか廃案に持っていくために、みなさんも声を上げて下さい。

・21日(木)19:30から船越教会で聖書研究会がありました。ガラテヤの信徒への手紙2章1-10節を

扱いました。このところは、使徒言行録15章と共にエルサレム会議について触れているところで

す。両者には、エルサレム会議の内容について、その記述に微妙な違いがあって、割礼や律法に縛

られない自由な福音宣教をパウロエルサレム会議でヤコブらのエルサレム教会の指導者にも認め

てもらったと主張しているところです。ところが使徒言行録では、ヤコブらは異邦人キリスト者

食物規定は守るべきだという理解をしていたことが記されています。パウロがしたたかだったの

か、事実はよく分かりませんが、このすれ違いがあって、パウロらによる異邦人伝道が進展してい

くことになったわけですから。

・22日(金)には、最高裁第二小法廷への「要請署名」708筆分を、支援会事務局長のKさんと

最高裁の東門の所で第二小法廷の書記官に提出してきました。