なんちゃって牧師の日記

説教要旨と牧師という職業で日々感じることを日記にしてみました。

黙想と祈りの夕べ通信(485)復刻版

 黙想と祈りの夕べ通信(485)復刻版を掲載します。2009年1月のものです。

 約6年前のガザへのイスラエル空爆について、下記通信には現地から英文学者のメールでの報告

が記されています。現在も同じ状況なのでしょう。一刻も早く和平が実現することを願うものです。

 

       黙想と祈りの夕べ通信(485[-14]2009・1・4発行)復刻版


 新年に入ってから私のメールに、イスラエルによる空爆下のガザの情況が入ってきました。ガザ・アル=

アズハル大学の英文学科のアブデルワーヘド教授が、電気が切れたガザで、発電機でかろうじて電力を維持

しながら、世界に向けて発信しているメールの転送です。

 転送しておられるのは京都の方で、その方の友人から私に転送されてきました。この教授のメールを転送

している京都の方は、「イスラエルがハマースの攻撃に対する報復としてハマースの拠点を攻撃していると

いう日本の報道は偽りです。これは、非戦闘員、民間人に対する大量虐殺です。重慶ゲルニカ・ドレスデ

ン・東京大空襲、そして、ヒロシマナガサキ、同じことが2008年12月の今、起きています。」と言ってい

ます。

 以下転送されてきたアブデルワーヘド教授のメールの一部を紹介します。

 12月27日 8;03 PM

 25の建物がイスラエルに空から攻撃された。建物はすべて地上レベルに崩れ去った。死者はすでに250名

に達する。負傷者は何百人にものぼるが貧弱な設備しかないガザの病院では、彼らは行き場もない。電気も来

ないが、ディーゼル発電機でなんとかこれを書いている。世界にメッセージを送るために。携帯電話もすべて

使用できない!

 12月28日 1:03 AM

 なんという光景だ。数分前、パレスチナ側のカッサーム・ロケットが飛んでいく音が聞こえた。続いて、も

う一つ、そして爆発音。2発目は、パレスチナ人を標的にしていたイスラエルの機体から爆撃されたものと思

われる。今、聴いたニュースによれば、イスラエルのアパッチ・ヘリが攻撃したのは、釣堀用の池のあるリク

リエーション・グラウンドだという。シファー病院は、195人の遺体、570人の負傷者が同病院に運ばれている

と声明を発表している。刻一刻と死傷者の数は増え続けている。これはガザ市だけの数字だ。ほかの町や村、

難民キャンプからの公式の発表はない。自宅アパートの近くで末息子がスクール・バスを待っていたところ、

以前、国境警備局があったところが攻撃された。息子が立っていたところから50メートルしか離れていないと

ころで、男性二人と少女二人が即死した!

 真っ暗な夜だ。小さな発電機を動かして、ネットを通じて世界と交信している。

 12月28日 3:03 AM

 今宵、ガザの誰もが恐怖におびえている。完全な暗闇。子どもたちは恐怖から泣いている。死者は206人。

遺体はシファー病院の床の上に横たえられている。負傷者は575名をうわまわるが、同病院の設備は貧弱だ。

病院事務局は市民に輸血を要請している。教員組合は虐殺に抗議し3日間のストライキを決定。イスラエル

機体がガザ市東部を爆撃、大勢の人々が死傷した。犠牲者の数は増え続けている。瓦礫の下敷きになってい

る人々もいる。一人の女性は二人の幼い娘と一人の息子を亡くした。彼らは通学途中だった!

 2009年1月1日 6:34PM

 嘆きと悲しみと死と 2009年元日のガザ

 2009年元日のガザはどのような姿か?

 死がガザを覆い尽くしている。嘆きと悲しみが2009年という新年の挨拶なのだ。血と大量の死体の匂いが

する!毎分のように悪い知らせが新たに届く。爆発音、爆撃、ミサイルの飛来音、崩壊、荒廃、イスラエル

無人機、アパッチヘリその他の軍用ヘリ、F16型戦闘機、足元を揺るがす大地。破壊の跡がいたるとこ

ろに。死体、千切れた四肢、泣き叫ぶ子ども、幼子や夫を探し求める母親。どこに行けばいいのか、どこに

隠れればいいのか、誰にも分からない!イスラエルの攻撃のもとでは、安全な天国などどこにもありはしな

い。市民社会の施設さえ標的にされた。法務省、教育省、文化省が破壊された!モスクも手ひどくやられた。

うち6つは過去のものになってしまった。これらモスク周辺の何十という家も蹂躙され、粉砕された。人々

は死に、また傷ついた。今日、2009年1月1日までに、攻撃で2000人以上が負傷し、420人以上が殺された。

この数字には50人を上回る子どもたちが含まれている。今日、ガザ市だけで、20回以上の空襲が実行された!

最後の攻撃で、ジャバリーヤ難民キャンプの4階建ての建物が破壊され、少なくとも15人が殺された! この

メッセージを書いているさなかにも、ガザ市北部、シェイフ・ラドワーンで5階建ての建物が数分前、イス

ラエルの軍用機によって粉々に破壊されている!爆撃についてこれ以上、書き続けることができない、たっ

た今、3回目の大爆発が起こった!

 この転送されてきたメールには「転送・転載歓迎」とありました。今ガザで起こっていることを一人でも

多くの人に知ってもらいたいという思いが伝わってきました。ですから、私もこのような形で転載しみなさ

んにお伝えします。新しい年も平和を祈り求めていきたいと願います。 



          「弱さの中で育つ実」       1月4日


 成功しているということと、実りが多いということとの間には、大きな違いがあります。成功は、強さ、

管理、世間体などによってもたらされます。成功している人は、何かを創り出し、その発展を管理し、大量

に利用出来るようにする力をもっています。成功は、多くの報酬をもたらし、しばしば名声ももたらします。

しかし実りは弱さと傷つきやすさによってもたらされます。また実りは全くユニークなものです。子どもは

傷つきやすさの中でみごもられた果実であり、人と人との交わりは傷を分かち合って出来る果実であり、親

しさは互いの傷に触れることを通してできる果実です。私たちに真の喜びをもたらすのは、成功ではなく、

実りの豊かさにあることを思い起こしましょう。



                     (ヘンリ・J・M・ナウエン『今日のパン、明日の糧』より)