なんちゃって牧師の日記

説教要旨と牧師という職業で日々感じることを日記にしてみました。

黙想と祈りの夕べ通信(520)復刻版

 黙想と祈りの夕べ通信(520)復刻版を掲載します。2009年9月のものです。


         黙想と祈りの夕べ通信(520[-46]2009・9・13発行)復刻版


 9月6日の日曜礼拝には、私の前任地名古屋のG教会の方が3名出席しました。一人の方は古くからのG教会

の教会員で、他の二人は、G教会の最後の時期に私がしていたキリスト教入門講座に出席していた方です。

一人の方は、私が横浜に来る直前に千葉の佐倉に移転し、今は佐倉の教会で洗礼を受けて教会員になってい

るそうです。もう一人の方はFさんと言い、もう10年ほど前に一度当時戸塚の明治学院大学に在学していた

息子さんと一緒に当教会の礼拝に出席したことがあります。その息子さんのD君は、生まれたときから二分

脊椎という障がいをもっていて、下半身は麻痺していますので、車椅子での生活です。上記のG教会員の方

が幼稚園の教師をしていて、彼女が勤めていた幼稚園にD君が通い、彼女の勧めと助力もあって、D君は幼稚

園から通常の小学校・中学校・高等学校を卒業して明治学院大学に入学しました。今D君は愛知県のK市役所

に就職し、結婚して自立しています。D君にはお姉さんがいました。Mちゃんという色白の可愛い子でした。

Mちゃんは白血病で、お父さんの骨髄移植を受けましたが、小学校6年生で亡くなりました。その後Fさんは、

お連れ合いを病気の発見の手遅れで急に亡くしました。Fさんは、今一人で生活していますが、ホームに入

っている父親の世話をしています。彼女の人生は、夫と子どもたち、両親との関わりの中での家庭人として

の時間が圧倒的だと思いますし、特に二人の子供たちとの関わりは母親として厳しいものもあったと想像し

ます。けれども、お付き合いしている限りでのFさんは、何時も笑顔を絶やさす、優しさをもって淡々と歩

んで来られたように思います。私たちの周りにはそれぞれの十字架を背負って生きている人がいることを覚

えたいと思います。Fさんのことを覚えて祈っていただければ幸いです。

 上記の私の発言に続いて、一人の方の発言がありました。私もFさんを知っているが、彼女は涙を見せな

い。私もあまり涙が出ない。しかし昨日民主党国民新党社民党の連立が樹立し、そのテレビの生中継を

見ていて、鳥肌が立ち、涙が出た。社民党福島瑞穂さんが会見で、はっきりと「辺野古に基地は作らせま

せん」と言われたからである。又以前私の涙は第33回合同後18回教団総会の時の合同のとらえなおし関連議

案に山北議長が「審議未了廃案」と言った瞬間の時のくやし涙である。この時にそのことから自分に何がで

きるか問われ、辺野古に関わるようになった。それから5年が経った。先週の国会前の座り込みには、「普天

間県外移設がんばれ」という横断幕を持っていった。前を通った辻本さんが、頑張るからね、と言ってくれ

た。政治不信が消えないので、本当の喜びに繋がるのかどうかは分からないが、今日は忘れられない日にな

った。55年体制以後ずっと、アメリカとの関係が大人と子どものように、アメリカの言いなりで何も言えな

い日本の立場から、対等に物が言えるような関係なって欲しいと思う。

 もう一人の方の発言がありました。沖縄との関係でアメリカとの関係を問い直すことは大切だが、一度決

めたことは覆せないという風に思っている人も多い。同じ人間同士として繋がれたらと思う。・・・・・一つの

現象で判断せず、どうしてそういう言動になのか思いやって、相手を思う気持ちを持てたらいいなあ、と思

った。最後まで諦めないで、後悔することのないようにしていきたい。


          「愛に錨を下ろす」       9月13日

 
 不安になると、私たちは過剰な準備をしがちです。攻撃されたら何と言おう、尋問されたらどう答えよう、

告発されたらどう抗弁しようと頭を悩ませます。まさにこの動揺こそが、自信を失わせ、自分の中に力を弱

める自意識を作り出すのです。

 イエスは私たちに全く心配しないように、そして必要な言葉と知恵はイエスが私たちに与えてくださるこ

とを信じるようにと言われます。大事なことは、しゃべる準備が多少出来ているということなのではなく、

エスの愛にしっかりと錨を下ろし、この世界にあって、私たちが誰であり、何のためにここにいるのか、

ということを知っているという安心感を抱いていることです。私たちの心がイエスのみ心と結ばれていれば、

話さねばならない時が来たら、何を言うべきかは必ず分かるに違いありません。


                    (ヘンリ・J・M・ナウエン『今日のパン、明日の糧』より)