なんちゃって牧師の日記

説教要旨と牧師という職業で日々感じることを日記にしてみました。

船越通信(255)

           船越通信癸横毅機 。横娃隠暁4月3日    

・3月27日(日)イースターの礼拝には27名の出席があり、クリスマス昨年の礼拝の時よりも多かっ

たのではないかと思います。二人の子どもも出席していましたので、讃美歌544番を歌って幼児祝福の

祈りも行いました。毎日曜日の礼拝式には、括弧つきで〔幼児祝福 544(イエスさまは教会を)〕を

入れています。その日の礼拝に子どもの出席があったときには、幼児祝福をすることにしているからです。

これは私の前任地の紅葉坂教会で行っていたのを、船越教会でも取り入れさせてもらいました。最近はク

リスマスとイースターの礼拝に見える家族の二人の子どもたちが来た時に行っていますので、幼児祝福は

年2回礼拝の中で行っているということになります。その二人の子どもも、一人はこの4月から中学生に、

もう一人は小学4年生になりますので、何時まで続くでしょうか。成長している子どもとのつかの間の交わ

りですが、うれしいものです。この日は連れ合いが食事当番の担当でしたが、グリーンカレーは多目に作

っていましたが、ご飯は礼拝の人数を確認してからもう一窯焚き加えて、何とか間に合わせたということ

でした。数名礼拝後帰えられた方がありましたが、約25名、和室といつもの集会室一杯でイースターの昼

食会を共にしました。その時、Wさんからみなさんにお知らせしたいことがあるということで、長年船越教

会を支えてこられた教会員のKさんが2月6日に帰天(召天)されたという報告を受けました。数年前に東京

大田区のホームに移られてからは、事情があってお会いすることができませんでしたが、Kさんとご遺族

の上に主の平安をお祈りいたします。昼食会は、それぞれ近くの方々と親しく懇談し、終えて後片付けを

して散会しました。私もこの日は、皆さんが帰った後、連れ合いの関係する教区の委員会の印刷物の仕事

を手伝って、午後3時過ぎには船越教会を後にして鶴巻に帰りました。船越教会の滞在日は原則的には土曜

から月曜までとなっていますが、教会の聖書研究や教区などの集会があって、金曜日から船越教会に来て

いるときには、この所寒かったので日曜日に鶴巻に帰るようにさせてもらっています。

・さてこの週は前半時間がありましたので、積読になっていました『ボンフェッファーとキング牧師』とい

う本を読了しました。二人とも39歳で亡くなったというか、殺された、福音信仰を社会的な不正義への挑

戦という形で受け止めたキリスト者です。また二人共インドのガンジーの非暴力抵抗運動に影響されてい

るのですが、ボンフェッファーの場合は、ヒットラー暗殺計画に加わったということでは、非暴力抵抗運

動から一歩踏み出していたのかも知れません。アメリカの黒人差別、ナチスホロコーストという現実の

中でキリスト者としてどう生きるのか。二人は、それぞれの現実の中で、ある面で突出した生き方をした

人ではないかと思います。ボンフェッファーについては多少知っていましたが、この本を読んで二人が大

変なエリートでもあったということを知りました。それだけではなく、二人はまれに見る「共感の人」の

ように思えました。他者の痛みへの共感です。この他者の痛みへの共感はどのようにして生まれるので

しょうか。イエスの言葉に「多く許されている者は多く愛することが出来る」という主旨の言葉がありま

すが、二人はたくさん愛されて成長したので、自分の生きた時代と社会の中で苦しんでいる人の痛みを敏

感に受け止めることができたのかもしれません。1960年代半ばごろからの日本経済の発展という中で隠蔽

された形での社会的不正義が、バブル崩壊後の20年間に顕在化してきている現在にあって、集団的な悪に

私たちがどう立ち向かうのかという課題に私たちはますます直面していかざるを得ない状況です。そんな

時に、この本を読んでみて、改めていろいろと考えさせられています。

・31日(木)は午後7時からなか伝道所で教区のオリエンテーション委員会があり、2015年度の報告と

2016年度の計画を話し合い、決めました。このオリエンテーション委員会は、神奈川教区独自の委員会で、

この種の委員会がある教区は神奈川以外にはないのではないかと思います。これは神奈川教区が教区の中

にある違う考え方による対立によって教区総会が開けなくなって、様々な立場を切り捨てないで対話によ

る一致をめざしながら、当面一緒にやることのできることで協力しながら教区形成をしていくということ

で、教区総会が開かれるようになったことに関わります。戦責告白、万博・東神大問題、教師検定問題、

合同のとらえなおし、聖餐問題のような、いわゆる教団問題について殆ど知らない世代の教職が誕生して

きて、教区総会などの議論が噛みあわなくなり、少なくとも立場や考え方は異なっていても、問題の所

在については共有したいということで、神奈川教区の常置委員会が設置したのがオリエンテーション

員会なのです。3年間で教団問題を一通り学習できるようにプログラムを立てています。主に教区に来た

新任教師を対象にしています。私は10年くらいこのオリエンテーション委員会の委員長をしてきていま

したが、各委員会の委員長は2期4年したら別の人に代わらなければならないという規定が教区にできま

したので、2015年度はOさんが委員長になっています。神奈川教区には連合長老会系の教会が、横浜指路

教会や鎌倉雪ノ下教会をはじめとして相当数ありますが、最近はそのような教会からのオリエンテーショ

ン参加者はごく限られていて、ほとんど教区の営みとは関係なく、独自の集まりをしていて、教会内教会

の動きが加速し、日本基督教団神奈川教区の営みへの参加は最低限にしているように見受けられます。連

合長老会には本来教団内におけるカルヴィニズムによる教会形成をする教団内グループという自制があ

りましたが、現在の神奈川教区の連合長老会は明らかに分派活動をしながら、教団政治的には執行部の一

部に入って、多様性の上に成り立っている合同教会としての日本基督教団を自分たちの都合のよいように

支配する動きをしているように見受けられます。連合長老会には、そのような政治主義は元来はなかった

のですから、現在教団執行部に属している連合長老会の人たちは自己矛盾を抱えているのではないでしょ

うか。連合長老会の人たちが、自分たちの考え方を持ってながら、その自分の考え方も相対的なものであ

ることを自覚し、合同教会としての教団の対話の中に入ってくれることを期待したいと思います。