なんちゃって牧師の日記

説教要旨と牧師という職業で日々感じることを日記にしてみました。

父北村雨垂とその作品(87)

 一昨日低気圧の影響で夕方から鶴巻も、相当激しい風と雨に見舞われました。しかし、昨日の朝は真っ青な空の快晴になりました。風はまだ少し冷たかったですが、春爛漫という感じで、連れ合いと渋沢駅から大倉という丹沢の登山口近くにあります、県立戸川公園に行ってきました。小振りの河津桜が満開でした。年代ものの桜の木はまだ蕾みでした。チューリップ、菜の花も満開でした。戸川公園の中には茶室があり、抹茶やコーヒーを飲ませてくれます。連れ合いと抹茶と和菓子を堪能し、公園の入口にある蕎麦屋さんで昼食を取り、渋沢駅前の農協の店で買い物をし、私は一足先に帰ってきました。

 「死ねば死にきり、自然は水際立つ」(高村光太郎)のように、昨日のような穏やかの日に戸川公園から丹沢山塊を眺めていますと、「水際立つ自然」にあたたかく包まれているのを感じます。大地震や大津波のような猛威を振るう自然とは全く違う、静かなたたずまいに心癒される思いです。

 今日は、「父北村雨垂とその作品(87)」を掲載します。

                父北村雨垂とその作品(87)

   
     藍 11  1979年(昭和54年)5月

 故里に 老子荘子・・・ニーチェも招(よ)ぶか

 心臓が泣くと 世界(あたり)が 白く染(そ)む

 神の血を請けた証明(あかし)の 白衣とも

 椿は佳いな 莟(つぼみ)が佳いな 道祖神

 その鍵と 神のミイラは 萬里の淵

 鶏卵(たまご) たまご 卵 零 ブロイラー

 帰れ野犬(いぬ) 影 百萬のひとつは俺

 太陽は 枕を鐘の鳴る 丘に


     藍 12 1980年(昭和55年)2月

 血に跳る ニーチェの骨と世界の鬼

 考えるブロンズに葦 やがて 去る

 倖せと語り 名残の涙 流れ

 闘魂は 枕に聴くや 頭蓋骨

 風と語る 孤獨が 酒を提げて来る

 牙(きば)のある豚を生ませて 神を謗る

 鴉はチュン 雀はかあと日比谷(ヒビヤ)にて

 吾もまた 無筆?能とならうかな


     藍 13 1980年(昭和55年)10月

 逞(たくま)しき夕陽を噛みつ 粥を啜りつ

 鬼面駆ける 点 線 駆ける 駆ける

 砂浜に 松千本や 東風(コチ)の芽を

 生死なき意志や ペチグリウ氏の 小麦

 善悪の中洲に 案山子 流れ 流れ

 七色に力を発(あ)ばく 盲目(メクラ)の時計

 尺蠖に 山門の鬼 からからと笑ひ

 君が背に見る侘びしらや 君や識るや