鶴巻通信(25)
以下は、ボンフェッファーがナチズムの時代に獄中に囚われた時に、獄中で書いたものだと思われます。2022年が終わり、2023年の新しい年を迎えようとしているこの日の私たちに与えられた言葉として熟読し、ボンフェッファーの想いを私たちも少しでも共有できればと願います。
12月31日 主のよき力に守られて
ボンフェッファー『主のよき力に守られて~一日一章~』
主のよき力に、確かに、静かに、取り囲まれ、
不思議にも守られ、慰められて、
私はここでの日々を君たちと共に生き、
君たちと共に新年を迎えようとしています。
過ぎ去ろうとしている時に、私たちの心をなおも悩まし、
悪夢のような日々の重荷は、私たちをなおも圧し続けています。
ああ、主よ、どうかこのおびえおののく魂に、
あなたが備えている救いを与えてください。
あなたが、もし、私たちに、苦い杯を、苦汁にあふれる杯を、
なみなみとついで、差し出すなら、
私たちはそれを恐れず、感謝して、
いつくしみと愛に満ちたあなたの手から受け取りましょう。
しかし、もし、あなたが、私たちにもう一度喜びを、
この世と、まぶしいばかりに輝く太陽に対する喜び与えてくださるなら、
私たちは過ぎ去った日々のことをすべて思い起こしましょう。
私たちのこの世の生のすべては、あなたのものです。
あなたがこの闇の中にもたらしたろうそくを、
どうか今こそ暖かく、静かに燃やしてください。
そしてできるなら、引き裂かれた私たちをもう一度、結び合わせてください。
あなたの光が夜の闇の中でこそ輝くことを、私たちは知っています。
深い静けさが私たちを包んでいる今、この時に、
私たちに、聞かせてください。
私たちのまわりに広がる目に見えない世界のあふれるばかりの音の響きを、
あなたのすべての子供たちが高らかにうたう讃美の歌声を。
主のよき力に、不思議にも守られて、
私たちは、来るべきものをやすらかに待ち受けます。
神は、朝に、夕に、私たちと共にいるでしょう。
そして、私たちが迎える新しい日々にも、神は必ず、私たちと共にいるでしょう。