なんちゃって牧師の日記

説教要旨と牧師という職業で日々感じることを日記にしてみました。

若葉の季節

桜の花が大分散って、これから若葉の季節だ。

私はこの若葉の季節も一年の内では好きな時期である。以前吾妻線にこの時期乗ったことがある。草津の温泉に行き、帰りに伊香保にも一泊した。草津への行き帰りに乗った吾妻線から見た山の木々の若葉の色彩が淡い緑の多色に感動した。

高村光太郎の「死ねば死にきり、自然は水際立っている」という言葉を、以前読んだ吉本隆明の『老いの流儀』という本の中に書かれていて知った。いい言葉だと思った。70代後半の吉本はその本の中で、「僕は『死ねば死にきり』という考え方がいいなと思っているのですが、残念ながらそれを実感していません」と書いている。

人間がどんなに悩もうが、そしてその人が人生を終えて死のうが、自然は泰然自若として何事も無かったかのごとくにそこにあるのだ。長い目で見れば、自然も変化しているのであろうが、人間の80年、90年の人生の時間は、自然の変化を感じ取るには余りにも短い。

揺れ動く人間は、微動だにしないかに見える自然という大地によって支えられて生き得るのであろう。

地震が起きると、人間の生活基盤が根底から奪われてしまうことからしても、確かな自然の存在によってはじめて人間は生きることができるのだ。

聖書では自然は神の被造物である。この季節、神の贈物として造られた自然界に思いを馳せ、卑小な人間と雄大な自然の対照に感動する心を持ちたいものである。