なんちゃって牧師の日記

説教要旨と牧師という職業で日々感じることを日記にしてみました。

父北村雨垂とその作品(77)

 今日は東京近辺も雪が降っています。ここ鶴巻でも、朝、雨から雪に変わっています。先日横須賀田浦の梅林に行ってみましたが、開花している梅の木は、何百本のうち1,2本で、それもつぼみの中で僅かにチラチラと開花しているに過ぎませんでした。3月になろうとしているのに。
「父北村雨垂とその作品(77)」を掲載します。

              父北村雨垂とその作品(77)

   無題(続き)


 あそべ羞痴(しゅうち) きれいな いのち 大地の育(そだ)ち

 犬小屋の犬は 昼寝だ 雀達

 砂浜の 風は 水夫の唄を 流す

 父は天 母は大地に 柿の種

 バラが散り バラが咲く 気儘な 季節(じかん)

 鉄柵の豹(ひょう)は 運命を 柔軟に歩るく

 法庭は 朗々とあり プリズム氏

 窓で「孤獨」と レモン つぶやく

 恍惚の杖 陽を浴びて 秋の産毛

 航跡の雲 富士の 洪笑した 風景

 松の芽は 海胆(うに)の卵巣の みどりに開け

 月にいななく 山嶺の 馬の たてがみ

 歩るく荒野の 透明な 歴史の影に

 風 枯葉 彼等 孤獨を 楽しむもの

 燃えろ 氷河 トロッキストに 零の 時間

 キャンバスに 風が えくぼを描いて 消す

 踊る 砂漠の 風をみてる 獅子と駱駝(らくだ)

 心臓と風が 明日を組立てる

 潮騒と カンナが 夏を 回想する

 苔寺の 苔に たたずむ 汗臭き

 優賞と 菊の 無残や 晒(さら)し首

 死に絶えた 一族に苔 庭を 占む

 コスモスの 嵐の跡の 雄々しさよ

 数をみていた番犬だ 星なのだ

 咳の両手を 水平に 南と北

 褾足の 匂う暇睡も 夢二 にて

 観ずれば 無形 無相と ゆれる払子

 鍵盤の 心臓の カオスの 自覚の 希い

 妻の 子の 絶景の 火葬場の 浮雲

 海は 化石と たわむれていた あけぼの

 孤高の 「人」に 変心の 雲

 心臓と 現在(いま)が 言葉と 格闘(かくとう)した

 驢馬と 駱駝(らくだ)の 炎えぬ 眼差(まなざ)し

 鵙(モズ)の声に 直情の葦は 風を みた

 舗装 成って この坂のスミレ 成佛す

 花ぐもり おまえ 決意を 何故(なぜ) 捨てた

 男と女は 袋小路を 歩るく

 純情な声とも 毒婦の声か とも

 まっさきに 春 雑草と 言わば 言え

 蕗のと おまえ 嫡子か 庶子か とも

 芹 なづな おたまじゃくしの 交響(こうきょう)符(ふ)