孫崎享さんの講演を聞いて
昨日藤沢市民会館で行われた「ふじさわ・九条の会、10周年の集い」に参加しました。記念講演は孫崎
亨さんでした。孫崎さんの話の中で、今情報を大手新聞やNHKニュースなどで得ている限り、正確な情報を得
ることができないということが強調されていました。そういう点では、中国民衆の方が共産党中央の情報か
らは正確な情報が得られないことを知っているので、他の方法で情報を得る工夫をしているという点では、
日本の私たちよりもはるかに優れているということを、おっしゃっていました。孫崎さんが挙げた一つの例は、
2013年12月23日朝日新聞に天皇の会見の記事が載っており、朝日では下記のように記されています。
「戦後、連合国軍の占領下にあった日本は、平和と民主主義を作り、守るべき大切なものとして、日本国
憲法を作り、様々な改革を行って、今日の日本を築きました。戦争で荒廃した国土を立て直し、まつ、改善
していくために当時の我が国の人々の払った努力に対し、深い感謝の気持ちを抱いています」。
ところが、NHKはこの天皇の発言の中の「平和と民主主義を、守るべき大切なものとして、日本国憲法を作
り」を省いて報道(NHKニュース資料)したというのです。
孫崎さんの講演から、改めて情報を得るソースの大切さを思わされました。私の知人の中にも、琉球新報
を定期購読している方もいます。
もう一つ、孫崎さんは戦後すぐに出された伊丹万作氏の『戦争責任者の問題』に触れて、「多くの人が、
今度の戦争でだまされたという。おれがだましたのだといった人間はまだ一人もいない」。「『だまされて
いた』といって平気でいられる国民なら、おそらく今後も何度でもだまされるだろう」という伊丹万作氏の
言葉を紹介して、市民である私たち一人一人の自覚と責任が大事であることを強調していました。
孫崎さんは、最後に私が4月19日の説教で紹介した下記のニーメラーの言葉を引用して、その講演を終えま
した。ニーメラーの言葉の最後のところが少し違っていましたが。
「ナチスが共産主義者を攻撃したとき、自分はすこし不安であったが、とにかく自分は共産主義者でなか
った。だからなにも行動にでなかった。次にナチスは社会主義者を攻撃した。自分はさらに不安を感じたが、
社会主義者でなかったから何も行動にでなかった。それからナチスは学校、新聞、ユダヤ人等をどんどん攻
撃し、自分はそのたびにいつも不安を感じましたが、それでもなお行動にでることはなかった。それからナ
チスは教会を攻撃した。自分は牧師であった。だからたって行動にでたが、そのときはすでにおそかった」。
現在の日本はそういう情況にあることを自覚し、今しなければならないことを為していきたいと思います。