なんちゃって牧師の日記

説教要旨と牧師という職業で日々感じることを日記にしてみました。

家族のまとまり

★高校生からの質問 Part5★
「最近どのようにしたら家族がうまくまとまるかということで悩んでいます」

なかなか難しい問題です。正直に言って、私にも即決の答えはありません。こういう時、牧師の多くは「祈りなさい」と言うかも知れませんね。実は私もそういいたいところです。この質問だけでは、この方の家族が何でまとまらなくなっているのかが分かりません。ですから、どうしても抽象的な答えになってしまいますが、お許しください。

あなたの家族のまとまりのなさの原因がはっきりしているならば、その原因を取り除くことが必要でしょう。でも高校生のあなたではそれができないということもあるかも知れません。家族で話し合うことができる問題でしたら、勇気を出して、話し合うようにしてみることも必要かも知れません。そう簡単には取り除くことのできない問題の場合は、まわりの力を借りたり、苦しいけれども家族のみんなでその問題を背負っていこうという思いをお互いもつことによって、家族のまとまりは生まれるかも知れません。

でも、こういうこともあるでしょう。子どもたちが成人していくに従って、その家族のまとまりの形が、子どもたちが小さかった時とは違っていくということです。子どもたちが小さかったときの家族の一体感からすれば、その子どもたちが成人してそれぞれの世界をもって歩むようになりますと、家族のまとまりも緩んで感じられるようになることでしょう。

いずれにしろ、私たちは個人として生きています。その個人としての私たちには、自分の世界である個人としての個人の世界、家族の中の個人の世界、社会の中の個人の世界というように、それぞれ違う世界を自分の中に持っていて、それを使い分けながら生活しています。この三つの世界はそれぞれ違っていて、いっしょくたにして考えない方がよいのではないでしょうか。

もしあなたが家族の中の個人の世界で悩みを抱えて苦しんでいて、その悩みがそう簡単には解決しそうになかったならば、家族の中の個人の世界はしばらく様子を見るようにして、別の二つの世界に自分のエネルギーを注いでみたらどうでしょうか。日本文学や世界文学を読破してみようとか。自分の関心のある勉強に没頭してみようとか。社会のことをいろいろ考えてみようとか。どうでしょうか。
お答えになったかどうか分かりませんが、参考にしてみてください。どうしても苦しくなるようでしたら、お話をしにいらしてください。


**昨日の日記「無為の生」は、文章が途中で切れていたため訂正しました。**