なんちゃって牧師の日記

説教要旨と牧師という職業で日々感じることを日記にしてみました。

バブルの塔

横浜のみなとみらいにはランドマークという、現在日本では一番高いビルがある。この地区は、昔は三菱重工の船を造るドックがあったところだ。今でもランドマークの海側にはドックの跡が残されている。また、道を挟んで桜木町側には、帆船日本丸が係留されている。そこもドックが利用されている。

旧約聖書創世記という書物には、バベルの塔の物語が出てくる(興味ある方は創世記11章をお読みください)。この物語の背景にはメソポタミアの文明があると言われている。メソポタミアにはジグラッドというマルドゥクという神を祭る神殿があった。その神殿で高いものは90メートルにもなるという。バベルの塔はこのジグラッドをイメージしたものではないかと言われている。

人間が神のようになろうとして、天にそびえる塔を建てた。それを見て、神はその塔を破壊し、人間同士言葉が通じ合わないように多言語を話すようにさせたという神話的な物語である。権力を求め、自己尊大に振舞う人間のやることは、昔も今も変らないようだ。

このバベルの塔の現代版として、一部の人の中ではランドマークタワーが「バブルの塔」と揶揄されている。

さて、昨日朝のテレビでこのランドマークタワーの先端部に広がる、雲ひとつない晴れわたった大空が映されていた。天気予報のときだったと思うが、アナウサーは、すでに春の空です、とコメントしていた。

「天は神の栄光を物語り
   大空は御手の業を示す。」(詩編19編2節、新共同訳)

そのテレビ画面を見ながら、我々人間が全く手を貸さずに造くられた大自然があって、その中ではじめて生かされて生きる我があるのだと、ふと気づかされた。