なんちゃって牧師の日記

説教要旨と牧師という職業で日々感じることを日記にしてみました。

船越通信(69)

          船越通信癸僑后  。横娃隠嫁8月5日     

・29日(日)の礼拝には久しぶりにIさんが出席されました。この日はまた、前日の28日(土)にありました私の裁判支援会集会に遠方から参加してくれましたCさんも船越教会の礼拝に出席されました。この日は礼拝後何もありませんでしたので、お茶を飲んで懇談の時を持ち、散会しました。Aさんご夫妻が、何時ものように会堂の掃除をしてから、帰って行かれました。Iさんも会堂掃除を手伝ってくださいました。私は、その間必要な作業をして、この日は国会を人間の鎖で囲む集まりが午後7時からありましたので、そちらに参加することにしていました。Iさんも国会前に行くということでしたので、船越教会を一緒に出て、京急田浦迄歩き、京急に乗りました。

 私は連れ合いと娘も一緒でしたので、横浜で降り用を足してから、夜の集会に3人ででかけることにしました。Iさんとは国会前で会えたら会いましょうということで、横浜で別れました。私たち3人は用を足してから、午後6時少し過ぎには地下鉄永田町駅を降りて、辺野古新基地建設反対の座り込みをしている参議院議員会館前に出て、官邸方向に歩いて行きました。歩道は半分に区切られて、道路側は人の往来が出来るようになっていました。既に議員会館側の道路にはこの集会に来た人たちが隙間なく並んでいました。私たちは進めるだけ官邸方面に行きましたが、途中で警察によってそれ以上行けなくなっていました。

 ですから、国会を人間の鎖で囲むことができませんでした。午後7時になって、キャンドルを灯し、ペンライトの光を空に向かって掲げました。ヘリコプターが何機も空中を旋回して、空から国会前の状況を記録していました。集会は憲政会館のある所で行われていたようですが、私たちの居る所に設置されたスピーカーには通じませんでした。ですから、主催者側の人が、希望者がマイクによってアッピールとシュプレヒコールを代わる代わる行うように促しました。次々にとはいきませんでしたが、それでも何人もの人がマイクをもってアッピールとシュプレヒコールを続けました。

 その中の一人に静岡から来たという中年の女性がいました。道路側に並んでいる警察官に向かって、「お巡りさん、悪いことをする人を捕まえて下さい」と訴え、東電福島第一原発事故で故郷に住めなくなった人たちのことを覚えて、「故郷を返して」と叫び、「うさぎ追いし、・・・・」で始まる「ふるさと」を一番、二番と歌いました。みんな彼女に導かれて、「ふるさと」を合唱しました。

 この集会も参加している人たちの多くは、組織による動員というよりも、やむにやまれぬ気持ちでここに来たという一般市民の人たちのように思われました。集まっていた人たちの中に帰途につく動きが出始めてから、私たちは国会を半周して正面の方へ歩き始めました。その時Iさんから私の携帯に連絡が入りましたが、まだシュプレヒコールの声がある中でしたので、Iさんの声を聞き取ることが出来ず、国会前で会えればというIさんとの約束を実現することはできませんでした。この日船越教会の礼拝に出席したCさんも国会前の人の群れのどこかにいたはずです。

 7月16日の代々木公園の10万人集会とこの日の集会に参加して、反原発のこの行動が更に広がり、長く持続することができれば、もしかしたら日本の国の新しい政治決定の動きに繋がるかも知れないという予感のようなものを感じました。70年前後の抗議行動のような突出した過激性はありませんが、じわじわと原発に依存しない社会の形成への意志が結集しているように思われます。原発事故はあらゆる人の命と生活を脅かすものである故に、その危険性への感覚が、今回の事故によって直接被害を受けた人たちだけでなく、そうでない多くの人にも共有されるからなのでしょう。

 それにしても、福島で事故が起こる前に気づくことが何故できなかったのでしょうか。私たちはとことん追い詰められないと、日常の深刻な問題を回避して、その日暮らしに徹してしまう者なのでしょうか。

・30日(月)から31日(火)にかけて、横浜市都筑区のあゆみ荘で、I牧師の呼び掛けで行われた本田哲郎さんを囲む会に、私も参加しました。船越教会からはTさんも参加しました。この会は数年前に小田原で視覚障がい者の全国集会が行われたときに、講師の本田哲郎さんとその集会で開会説教をされたI牧師が意気投合して、その後I牧師の呼びかけで毎年行われている集いです。参加者は毎回十数名です。視覚障がい者の方も数名参加しておられます。昨年と今年にかけての一つのテーマは「障がいは恵か?」です。また今年は出席者の一人から、全知全能の神も三位一体論も信じられない、神はイエス・キリストご自身であって、イエス・キリストによる以外に神は存在しないというラディカルな意見が提示されました。本田哲郎神父も、その方の考えには80%賛成だが、20パーセントは受け入れられないと、はっきりおっしゃいました。この問題はこの集いの中では、それ以上深められませんでしたが、私も興味と関心のある問題です。このように一人一人が思うところを自由に披歴し、それに対しても他の人から率直な意見が述べられる、なかなか他では体験することのできないユニークな集いです。今回は相模原で路上生活者への働きを担っておられるH神父も参加しました。

・この週は私の裁判の準備手続きが8月9日にありますので、それまでに原告である私の方から準備書面を用意する必要があり、過日行われたました訴訟対策委員会での議論を踏まえて、弁護団準備書面(3)を用意してくれました。弁護士同志と私との間でメールのやり取りがあり、8月2日に裁判所に提出しました。

・7月28日の私の裁判支援会による報告・討論集会では、世話人副代表の岩井健作牧師の挨拶があり、原告である私の挨拶と教団の現状報告、弁護団による準備手続きの状況説明、そして訴訟対策委員長の渡辺英俊牧師からの発題「教団への問い~この裁判の意義と目的」がありました。その後遠隔地からの出席者に発言していただき、フロアーからの質疑応答がありました。司会は世話人副代表の瀬戸英治牧師と世話人の岡安博さんが引き受けて下さいました。大変暑い日で土曜日午後にも拘わらず、92名の出席者があり、感謝しています。