なんちゃって牧師の日記

説教要旨と牧師という職業で日々感じることを日記にしてみました。

黙想と祈りの夕べ通信(252)復刻版

 今日も「黙想祈りのと夕べ通信(252)」復刻版を掲載します。9年前の通信ですが、日雇い労働

者・野宿労働者のことも、自然災害のことも、辺野古のことも、現在も状況は全く変わっていないばかり

か、ますます悪い方向へ進んでいるとしか思えません。 
  

      黙想と祈りの夕べ通信(252[-43]2004・7.25発行)復刻版


 今朝インターホーンが鳴ったので出てみますと、「何か食べる物をください」という二人の訪問者の方

たちでした。事情を聞いて、中区で行っていますパン券について説明しました。そして下のコンビニでお

弁当とお茶を買って、二人に持たせて分かれました。6月末ころには、まだ40歳前後で背の高い体格のよ

い方が来ました。自分は盗みを働いて刑務所に入って、出て来てからビン・カンを拾って売ったお金を1

万円くらいためて、たまたま磯子の市場で夜の仕事の職につくことができて今働いている。しかし、寮の

生活なので、他の人から衣服の洗濯ができていないと文句を言われる。こまめにコインランドリーで洗濯

したら、一ヶ月分の生活費として貯めた1万円がなくなってしまった。返すから7月はじめに給料がでるま

でお金を貸してもらえないかということでした。今までの私の原則は、はじめて訪ねてきた人には、食べ

物は差し上げるようにしてきましたが、二度目からはお断りしてきました。お金については殆ど出しませ

んでした。しかし、この頃段々年を取ってきたせいか、騙されてもいいか、という気持になって、上記の

人にも2回に分けて5千円ほど差し上げてしまいました。寿地区活動委員会でも、そういう話題がでます

と、大体行政に結び付けるようにすることが第一ではないか、ということです。私もその委員会の委員長

をしていますので、それにこしたことはないと思っていますが・・・。野宿労働者支援の一環として一時

宿泊施設が行政によって作られています。川崎などは、その代わりということでしょうか、今まで出され

ていたパン券に代わるお弁当の提供がなくなったということを聞いています。一時宿泊所に入所する人が

あっても、新しく野宿を余儀なくされている人が増えていますので、行政の施策が追いつきません。日雇

労働者、野宿労働者支援の課題について、継続して担ってくださることを望みます。

 上記の私の発言に続いて、伝道師からの発言がありました。新潟と福井の水害で被災している方々のこ

とを思う。自分は小さいときに水害の経験をした。両親が牧会していたM教会の会堂が流された。3メー

トル30センチの濁流が家屋を襲った。旅館の3階から助けを求める人がいた。牧場の牛が流されているのを覚

えている。その後ボランティアの人たちが来てくれて、郊外に借りた牧師館を拠点に復旧の働きをしてく

れた。自分と妹は小さかったので疎開させられた。その時のことを思い出しながら、新潟のこ

とを考えた。7月19日には3000人のボランティアが駆けつけたという。役所で窓口を作って受入れている

が、日帰りの人しか受け入れていないという。宿泊の確保が難しいからであろう。その点今回は阪神淡路

大震災の場合と異なるようだ。教会で被害を受けたのは三条教会だけだという。自分も益田の経験がある

ので、ボランティアとして働ければと思うが、被災した人たちにとって何が必要かを考えてしたい。阪神

淡路大震災のときに、長田地区に東京のあるキリスト教主義の学校の学生がボランティアに行った。その

時学生が震災後すぐに商売をはじめていた長田の商店で買い物をしようとした。すると、学生に「ボラン

ティアに行こう。買い物をしている場合ではない。」と言った、同行していたその大学の教員がいたとい

う。長田では商品を買ってもらうことも大切だったと思う。善意とは何か。相手の立場に立った善意でな

ければならない。水害の後始末は大変だ。自分も何等かのコミットができればと思っている。

 続いて一人の方からの発言がありました。先日辺野古に基地を作らないのではというニュースが入った

ので、メールで関係者に流したが、一週間経って、米軍の基地の再編成が進む中で辺野古に基地をつくる

ことに変更なしと言われ、がっかりした。個人の思いと国の政策との違いを改めて突きつけられた思い

だ。今まで政治や安保体制の問題について十分認識しないで来たことを悔いる。辺野古では基地の撤回を

勝ち取るまで後3ヶ月座り込みを続けるという。被災者の立場に立って、と伝道師も言っていたが、辺野

古の命を守る会の人たちのことを考えると、こちらから座り込みに参加することも負担をかけることにな

りはしないかと心配である。しかし、座り込みに来てくれて励まされたとうメッセージを受けたりする

と、迷う。行く人が相手の立場を考えて、座り込みに参加できればと思う。辺野古では毎日朝テントを組

み立て、夕方たたむ。その作業を毎日繰り返すだけでも大変だ。これからが本番であるというときに、私

自身どう関われるか考えていかなければならないと思っている。座り込みが続けられるようにアッピール

をしていきたい。