なんちゃって牧師の日記

説教要旨と牧師という職業で日々感じることを日記にしてみました。

船越通信(145)

    船越通信癸隠苅機 。横娃隠看2月2日                

・1月26日の日曜日は午後2時30分から、教区の基地・自衛隊問題小委員会と沖縄交流委員会の

共催で、紅葉坂教会を会場にして「構造的差別を克服するために~ヤマトとオキナワの関係~」と

いうテーマの講演会がありました。講師は立命館大学非常勤講師の池尾靖志という方でした。私

は、船越教会の礼拝後の懇談の時を共にして、その後牧師館の後片付をしてから、連れ合いと船越

教会を出て紅葉坂教会に向かいました。京急田浦から京急日ノ出町に出て、日ノ出町から歩いて紅

葉坂教会に向かいました。日曜日の午後この辺を歩くのは久しぶりでした。日ノ出町から紅葉坂

会に行く間の野毛には、日本競馬協会の場外馬券売り場があり、この周囲は何時も日曜日の午後は

人で溢れています。この日も相当の人で賑わっていました。野毛にはぴおシティという桜木町駅

のビルの中にも、確か競輪の場外売り場があります。野毛から伊勢佐木町を挟んだ寿地区には、寿

地区センターのあるビルの向かいに競艇の場外売り場があります。野毛も寿地区も、ギャンブルに

賭ける人が多く集まります。紅葉坂教会時代に礼拝を終えて、年配男性のエイジグループの新年会

などで、野毛の中華料理店に行くことがありました。そんな時、野毛にはギャンブルのために日曜

日には本当に沢山の人がきていることを知りました。また、その人たちと教会に来ている人たち

は、大分雰囲気が違います。もう天上の人になっていますが、多少認知症があった年配の男性信徒

の方は、日曜日教会の礼拝に来るたびに、野毛の場外馬券場で馬券を買うのを楽しみにしていまし

た。そういう稀な方も教会に来ている人の中にはいましたが、教会に来ている人と馬券を買いに来

る人には、何か違いを感じます。庶民とインテリとまではいかないとしても、それに類する違いを

感じます。一方桜木町には、MM21(みなと未来地区)が海側に広がっていて、ランドマークタワ

ーやレンガ倉庫などのスポットがあり、日曜日の礼拝が始まる時間帯の桜木町駅は、降りて来た多

くの若者がMM21方面に向かう起点になっています。紅葉坂教会の礼拝にJRで来る人も、桜木町

駅を降ります。紅葉坂教会の礼拝に来る人はほとんど60代、70代以上の人です。MM21方面に

向かう若者たちとは世代間ギャップがあります。このような日曜日の現象からしますと、紅葉坂

会の礼拝に来ている人たちは、日本社会の中の非常に限られて人たちのように思えます。以前私が

紅葉坂教会の牧師をしていたころに、そんなことを感じました。先週の日曜日の午後野毛を歩い

て、そんな以前感じたことがよみがえってきて、日本社会の中での教会の存在は一体何なのだろう

かと改めて思わされました。

・さて、池尾靖志さんの話は、特に目新しいものはありませんでしたが、名護市長選での辺野古

め立て反対の稲嶺進候補と末松文信候補の得票数の差4154票の意味から話し始め、1、沖縄に集中

する米軍基地、2、地元を分断する政府、3、日本の安全保障をどう考えるか、について話してく

れました。この方は、沖縄県での基地移設反対運動などの調査を踏まえて、米軍基地を抱える自治

体の平和政策等の研究をしておられる方のようです。著書には『自治体の平和力』があるそうで

す。池尾さんは、辺野古だけでなく高江の支援を強く訴えていました。その時いただいた「Voice

 of TAKAE~沖縄県東村高江で起きていること~」(2012・7・13改訂版)の一部を紹介させてい

ただきます。

・「やんばるの中の高江:沖縄本島北部の豊かな森に囲まれた地域をやんばる(山原)といいま

す。やんばるの森には地球上でここだけにしかいないヤンバルクイナノグチゲラなどの固有種や

絶滅危惧種が数多く生息しています。日本全体の0.1%にも満たないやんばるに1000種以上の高等植

物や5000種以上の動物が暮らしています。

 国際自然保護連合(IUCN)が保護を求めるほど、世界的に貴重な生物多様性の宝庫です。その価

値を多くの人が認め、世界自然遺産、そして国立公園の候補に挙がっています。やんばるの中に東

村高江があります。

 東村高江と米軍基地:高江は人口約150名で、中学生以下が人口の約2割を占めている子どもの多

い集落です。美しい山と川に囲まれ子どもたちものびのびと育っています。しかし、この緑豊かな

高江と総面積7,800ヘクタールの米軍北部訓練場(ジャングル戦闘訓練センター)は隣なり合わせ

にあります。北部訓練場はジャングルの戦闘訓練を目的に1957年に使用が始まり、その3年後に開

始されたベトナム戦争でのゲリラ戦の訓練が行われました。北部訓練場には22か所のヘリパッドが

あり、区民は爆音や墜落の危険にさらされています。そこへ新たに高江集落をまるでぐるりと取り

囲むようにして、6か所のヘリパットの建設が予定されています。一番近い民家からわずか400メー

トルしか離れていないのです。

 ヘリパッドとは?~実はオスプレイが使うからオスプレイパッド~:ヘリパッドとは、ヘリコプ

ター離着陸帯のことです。やんばるの森を切り開き、直径75mの円形に造成して作られます。やん

ばる全体で見たら小さな点かもしれませんが、その点が軍事ヘリが飛び交うことにより、点が線

に、線が面になり、豊かな生態系と住民の暮らしに与えるダメージは計り知れません。

 高江は今…:高江区には2度にわたり、ヘリパッド反対の決議をしました。その後関係機関に出

向き、計画の見直しを要請しました。しかしきちんとした説明も話し合いもなく、住民の声を無視

するかたちで、防衛局は2007年7月2日強行に工事を開始しました。そのため座り込み以外手立てが

なくなんりました。この日から座り込みによる抗議と説得を続けています。実際に座り込みに参加

できるのは高江の中でも数世帯しかなく、まだまだ人数が足りません。一緒に座り込みしません

か?(ブログ「やんばる東村高江の現状」http://takae.ti-da.net/)・・・・」(以下省略)。

・私はたまたま、防衛局が2007年7月2日強行に工事を開始したとき、辺野古から高江に、大学生の

車に乗せてもらって行っていました。私たちが高江に着いた時には、防衛局の工事開始を食い止め

た後で、以前辺野古のテント村で見かけたことのある人も沢山高江に来ていて、皆さんまだ興奮が

冷めていませんでした。それから一度だけ参加しただけですが、高江のことは辺野古と共に何時も

覚えています。