なんちゃって牧師の日記

説教要旨と牧師という職業で日々感じることを日記にしてみました。

黙想と祈りの夕べ通信(533)復刻版

 黙想と祈りの夕べ通信(533)復刻版を掲載します。2009年12月のものです。


        黙想と祈りの夕べ通信(533[Ⅺ-11]2009・12・13発行)復刻版

 先日O・Aさんのお父さんのOさんから、お手紙とK私訳の新約聖書をいただきました。お手紙には、私

が諸教会・伝道所に出した「私への戒規適用申立を教師委員会が受理したことを問う」という文章に対

する応答と共に、自分と同じ教会の属する教会員で元高校の数学教師であったKさんが、60歳の定年を

迎えた時、「ただ、ギリシャ語の聖書が読みたかったから」とギリシャ語の勉強をはじめられ、独学で

辞書を引き、発音の練習もされ、コツコツと大学ノートに原文と訳を書き続けられ、それに基づいてO

さんがワープロに打ち込んで完成した「新約聖書」ができるまでのことが書かれていました。Oさんは

ワープロに打っていくうちに、「今までの聖書ではよく理解できなかった部分が・・・分かり易いものに

なると感じました」と言っています。また、「聖書の面白さ?というか、読む楽しさが日々増してきま

した」とも言っています。このKさんのように信仰者として自分の課題を見出し、それにコツコツと取

り組んでいく人の存在は教会にとっても貴重ではないかと思います。紅葉坂教会に関わる方でも、以前

にH・Tさんの弟である故F・Hさんがヨブ記をヒブル語原典から10章まで私訳したものを、F・Hさんの死

後姉であるH・Tさんと妹がまとめて、一冊の本として『ヨブ記私訳(未完)』を出しています。私もそ

れをいただいていますが、こういう方の存在は、いかに聖書が人を引きつけて離さない魅力に満ちた書

物であるかを証ししています。原典からの私訳とまではいかなくとも、私たち一人一人聖書と格闘する

中からその人独自の信仰者としての生き方に導かれていきたいものです。

 上記の私の発言に続いて、一人の方の発言がありました。この時期には街に出ると、気ぜわしくなる

が、日曜学校の買い物などをしていても、もうすぐクリスマスなのだという気分になれる。しかし、今

年は別に気になることがあって、いつものようなクリスマスの気分になれないでいる。政権交代で、日

普天間の移設の問題が報じられている。辺野古への移設はなくなるのか。5年続けてきた辺野古基地

建設反対国会前座り込みが終わるのか、更に続けなければならないのか、気になるところだ。また、

インフルエンザのことでも、私が関わってる障がい児がインフルエンザで入院し家に帰れない子ども

がいたり、職員の中にも休んでいる人が出ている。日曜学校もインフルエンザの影響でか子どもたち

が礼拝に来れず、ペイジェントも親を入れたりして変えているが、まだ役が決まっていない人もいて

落ち着かない。イエス誕生物語の人口調査のときの人々も同じように心落ち着かなかったのではない

か。そんな中にも星を研究していた博士たちは、人々が右往左往していた時にも、自分の研究に没頭

していたので、救い主の誕生を見出せたのではないか。羊飼いも野原で羊を飼っていて、人々の喧騒

からは外れていた。ヨセフとマリアの馬小屋でも静かな時が流れていただろう。喧騒の中にも静かな

時が必要である。私は心配性なので、騒がしくなり易いが、もう少し静かにクリスマスを迎えたいと

いう切実な祈りを抱えている。

 別の人の発言がありました。11月から体調が悪く、原因が分からず、耳の痛みがある。寿青年ゼミ

にも行けなかった。夜なかなか寝られないので、体力も落ちている感じだ。野宿者のパトロールにも

行けないでいる。12月に入り、クリスマスに出たいと思うが、朝起きた状態によるので、ペイジェン

トも見たいと思うが、どうなるか分からない。集中できないので、家でテレビを見る時が多い。日曜

日の夜9時からの「JIN~仁~」とう番組は見ごたえがある。来週、再来週と続くので、興味ある方は

ご覧になってください。

 もう一人の方の発言もあった。


       「ヴィジョンの実現に向けて踏み出す」   12月13日


 平和なみ国というすばらしいヴィジョンは、私たちの日々の生活の中で実現されるのを待っていま

す。み国において、すべての暴力は克服され、すべての男、女、子どもたちは自然との愛の一致の内

に暮らします。このヴィジョンは、現実逃避主義的な夢物語というより、そのヴィジョンの約束して

いるものの実現に向けて一歩前に踏み出すよう、私たちに呼びかけています。隣人を許す、子どもを

微笑ませる、苦しんでいる人と共に苦しむ、花束をアレンジする、家畜や野生の動物の世話をする、

公害を防ぐ、家や庭をきれいにする、そして人々や国々の正義と平和のために働くなどのことを一つ

でも実践するごとに、私たちはこのヴィジョンの実現に協力しているのです。

 常日頃からこのヴィジョンを思い起こし合うことが大切です。このヴィジョンが私たちの中で生き

生きとしたものとなる時、私たちは呼びかけに従って生きてゆく力を見出すことでしょう。私たちを

現実の生活から遠ざける代わりに、このすばらしいヴィジョンは私たちを巻き込んでいきます。


                 (ヘンリ・J・M・ナウエン『今日のパン、明日の糧』より)