なんちゃって牧師の日記

説教要旨と牧師という職業で日々感じることを日記にしてみました。

船越通信(198)

         船越通信癸隠坑検 。横娃隠鞠2月15日    

・2月8日(日)は、船越教会は関田先生にお願いして、私はなか伝道所に行きました。その日の礼拝説

教と、以前なか伝道所で私の「戒規免職問題とは何か」という話をしましたが、その後のことについて話

してほしいということで、主に裁判をするようになってから現在までのことを、礼拝後話しました。なか

伝道所はホームページに「横浜の寄せ場・寿町で、地域の問題との取り組みを通して、みずからが変えら

れることを目ざし、日曜ごとに礼拝を守り、聖書を読み直しながら、日本における「解放の神学」の可能

性を模索しています」と伝道所の宣教の方針を掲げていますように、日本基督教団の教会としては、70年

以降の教団問題を踏まえて、一つの宣教の方向性を明確に打ち出しながら教会活動をしている稀有な教会

の一つと言えると思います。そこにはなか伝創立者のWさんの影響が顕著に出ていると思われます。日本の

既成の教会の多くは、Wさんの言葉で言えば、「住宅街の教会」であり、その構成メンバーの信徒の社会層

は、いわゆる中産階層です。今はそのメンバーも高齢化して、それぞれの若い層の教会のメンバーがかつ

てのように中産階層と言えるかどうか分かりませんが、そのような既成の教会の牧師をしていて、問題を

感じ、Wさんは新しく伝道所を開設しました。最初は中村橋で、今は寿の中にその場所を持っています。数

年前に主任担任教師をIさんに譲り、今は教団の牧師は隠退して、なか伝の協力牧師をしています。なか伝

道所は、Wさんの考え方を支持する人、寿の人、そして自分の所属していた教会に疑問を持ち、なか伝に転

会された人が集っていて、伝道所の敷居は低く、フレンドリーが感じを、初めて来た人にも与えています。

礼拝は、説教者と会衆が対面している船越教会とは違って、むしろ船越教会の礼拝後のお茶の会のように

基本は回るくなって座る形です。

・礼拝が終わって、しばらく休憩してから、学習会ということで、私の戒規免職のその後についての話を

しました。その私の話に出席された方は十数名で、半分以上の方は礼拝が終わると、帰って行かれました。

学習会は午後1時半ごろから始まり3時過ぎに終わりました。なか伝を出たのは3時半過ぎでした。

・私の印象では、現在のなか伝道所の雰囲気は、船越教会と基本的には違わないと思いました。ただなか

伝道所の方が約3倍くらいの人数ですので、活気がある感じです。なか伝道所が新しい教会の在り方を作り

出していると思いますので、今後も見守っていきたいと思います。

・2月11日の思想・信教の自由を守る日の集会は、横浜地区に参加しました。横浜地区集会は県民集

にも参加できるためということで、午前10時から始まります。今年は会場は蒔田教会で、「特定秘密法の

秘密~ここが危ない秘密法」と題して、弁護士の海渡雄一さんの講演でした。海渡さんお講演は、プロジェ

クターで画面に発言要旨を映しながらの講演で、大変分かり易くありました。講演の最初に、ドイツの、

ライプチッヒにある連邦行政裁判所の19世紀に建った建物にある、中心に裁判所があり、ライオンが鎖で

縛られているレリーフを紹介してくれました。ライオンは権力、鎖は憲法、裁判所は権力が憲法を守って

いるかを見張る所というのでしょう。この話のあと、海渡さんが河合弘之弁護士と一緒に作った映画「日

本と原発」との関連でフクシマの現状についても少し話をしてくれました。講演は多岐にわたっていまし

たが、特定秘密法の施行がもたらす危険性が、ひしひしと伝わってきました。今後の課題と展望の中の、

「萎縮しないで活動を続けることがなによりも大切」部分を当日いただいた資料から引用しておきたいと

思います。

・「今も多くの講演の依頼があり、全国に出かけている。講演後の質疑の中で、答えることが最も難しい

質問は、原発などの核施設や基地問題に取り組む運動体からこれまでのような活動を続けていて安全だろ

うかという質問である。

 私は、この問いに対して、次のように答えるようにしている。『この法律が成立したことにより、政府

の指定する特定秘密に触れる可能性のある活動には危険性が生じる。そもそも何が特定秘密にされているの

かもわからないし、秘密保護法は共謀や煽動も取り締まっているので、特定秘密に触れるところまで行かな

くても、嫌疑をかけられる危険がある。だから、これまでどおりの活動で全く問題はないとは残念ながら

言えない。だからこそ、我々はこの法律を施行前に廃止しなければならないと考えているのだ。しかし、

我々が委縮してこれまでできていた市民活動を断念してしまうことは政府側の思うつぼだ。秘密保護法対

弁護団が2013年3月に発足した。この弁護団は、秘密保護法の廃止を求めて闘うと共に、どこまで

の活動が許されるか不安に感ずる市民運動やジャーナリストと常に討議を繰り返し、また政府側にも論争

を挑み、我々が安全に活動できる範囲を確定し、これを広げる努力をしていきたい。』と。

 安倍首相は秘密保護法は普通の市民生活には無関係だと述べた。しかし、安倍首相の述べる「普通の市

民生活」とは、主権者として知る権利を放棄し、政府が自らに都合の悪いことを隠しているならば、これ

を暴いていく市民活動を断念するところに成立するものだ。それは民主主義の自殺であり、主権者として

ではなく奴隷として生きると言うことである。

 われわれは、民主主義社会における主権者として、知らなければならないことを知るため、必要不可欠な

リスクを引き受け、活動を継続しなければならない。」

・この特定秘密保護法によって、今後は「必要なリスクを引き受け、活動を継続しなければならない」とい

う言葉が、胸に突き刺さってきました。

・今週は金曜日まで鶴巻にいて、週報原稿も鶴巻から皆さんに送りましたが、鶴巻の私のパソコンにある何

人かのメールアドレスが古いものだったらしく、届いていないのではと長澤正義さんから連絡をいただきま

したので、土曜日に船越に来てから再送させてもらいました。お二人でしたが、届いたという連絡をいただ

きました。次回からは鶴巻からもちゃんと届くようにしておきます。