なんちゃって牧師の日記

説教要旨と牧師という職業で日々感じることを日記にしてみました。

船越通信(427)

船越通信、№427    2019年9月8日   北村慈郎

・   8月31日(土)14:00-17:00、紅葉坂教会で「天皇制に終止符を!~『代替わり』で考える『天皇制』の戦争責任~」というテーマで、アクティブ・ミュージアム「女たちの戦争と平和資料館(WAM)館長の渡辺美奈さんの講演がありました。この集会チラシの呼びかけ文は以下の通りです。

・   「♦戦後74年、天皇制は終わることなく、裕仁から明仁へ、そして5月1日に即位した『徳仁』によって受け継がれました。平和への思いを込めたという慰霊の旅を続けた『昭仁天皇』は、象徴天皇制を安定させ、さらに新天皇を誕生させました。♥しかし、天皇の戦争責任を問うことなく行われた祈りと追悼は平和をもたらしたのではなく、戦争責任を覆い隠し、あたかも平和な社会であるかのようにつくりあげた戦後だったのではないでしょうか。♠映画『沈黙』で、はっきり語られていましたが、天皇の責任を問い続けたのは、日本軍性奴隷制の被害者のみなさnです。2000年12月の『女性国際戦犯法廷』は日本軍性奴隷制度の責任者として天皇裕仁度の責任者として天皇裕仁と郡高官9名に有罪判決を下しました。♣日本の戦後社会に向き合わなかった戦争責任と植民地支配責任を問うてきたという、アクティブ・ミュージアム『女たちの戦争と平和資料館』の渡辺さんにお話を伺って、差別の象徴であり、平和・平等・民主主義に反する天皇制に終止符を打つための思考をさらに広げていきたいと思います」。

・   渡辺美奈さんは、「日本軍性奴隷制の被害者の思い」を丁寧に追い、「『天皇制』の戦争責任、植民地支配責任?」を問い、「責任を果たす」ために、「二度と同じ過ちを繰り返さないと信じるに足ることをすること、真相究明、加害者の処罰、損害賠償、記憶の継承、軍事主義を復活させないこと、天皇制を終わらせること」についてお話されました。最後に彼女が館長を務める「WAM」の声明「天皇制に終止符を」を読んで退会されたWAMの会員からの手紙、「天皇制に反対すると明言されたWAMの会員ではいられないと思いました」を紹介して、講演を終えました。

・   この集会は「天皇制反対」の集会でしたので、右翼の街宣車が来て、ヘイト言動をする人がいる中、機動隊の車と警官に守られて行われました。また、この集会の主催者側で集会をリードしていたのが、講師及び司会者を含めて、すべて女性だったのが印象深く思われました。

・   現在日本の象徴天皇制を考える時に、私は白井聡の『国体論~菊と星条旗~』(2018年、集英社新書)が参考になると思います。ここでこの本の紹介をすることはできませんが、関心のある方は読んでみてください。

・   9月1日(日)の日曜日は、礼拝後いつものように残れる人でお茶を飲みながら懇談の時を持ち、散会後9月役員会を行いました。その内容については役員会報告をご覧ください。この日は午後連れ合いのところに3人の教区の性差別問題特別委員会関係の人が見舞いがてら話に来ることになっていましたので、役員会が終わった後、私も早めに船越教会を出て鶴巻に向かいました。連れ合いは抗がん剤を投与し、その後2週間朝晩呑む薬も終わっていましたので、体調も良好で、長時間の訪問者でしたが、疲れも出ずに楽し時間を持つことが出来たようです。

・   3日(火)は教区の常置委員会の日ですが、常置委員会(この日は午後7時開始)の前にハラスメント学習会があり、更にその前に6月の教区総会で可決した『合同』50年を憶えて、合同の実質化を目指す教区集会実行委員会がありました。私は実行委員の一人としてその委員会から出席し、ハラスメント学習会、常置委員会と午後4時から9時過ぎまで、この日は三つの会に連続して出席しました。効率を考えて、常置委員会の前にそれぞれ2つの会が設定されましたので、このように三つの会が連続して行われたわけです。

・   『合同』50年集会は、11月23日(土・休)に横浜港南台教会で行われることになりましたが、この日の実行委員会ではその内容が決まりました。開会礼拝説教は関田寛雄牧師に、講演は兵庫教区の沖縄交流委員の一人でもあります竹内富久恵牧師に決まりました。午前11時開始で、開会礼拝の後、沖縄を味わう集い(仮称)と昼食を取り、午後1時半から「『合同』50年の歴史と兵庫教区の取り組み~「わたし」として「わたしたち」を考える~」という題の講演が行われることになりました。

・   ハラスメント学習会は、「どこからがハラスメント」というテーマで、奥羽教区土沢教会上野玲奈牧師が、アメリカ主流派教会でのハラスメント防止に関する取り組みについて、それぞれの教会の規則を示しながら話してくれました。日本の教会とは比べものにならないほどにハラスメント防止に関する規則がアメリカの主流派教会にはできていることを知り、私たちの人権意識の遅れを痛感させられました。お話を聞きながら何故かと自分自身に問うていましたが、日本の社会は文化や制度を含めて、個の尊厳の確立が十分でなく、抑圧的・差別的な対幻想や共同幻想から一人一人が解放されていないのではないかと思わされました。教会の中にも対等・同等な個々人の関係ではなく、上下関係を内包する牧師と信徒という階層的な関係が支配しているのではと。

・   今回の常置委員会で、上記の『合同』50年集会について、6月教区総会決議を受けて実行委員会と実行委員会が提案した集会計画、予算が承認されました。この日の常置委員会は会議中落雷と豪雨でしたが、委員会が終わるころには雨も上がりました。