なんちゃって牧師の日記

説教要旨と牧師という職業で日々感じることを日記にしてみました。

鶴巻通信(18) 自然と自民党総裁選に思うこと

鶴巻通信(18)  2021年9月30日

 

一昨日久しぶりに田畑に出てみました。既に稲の借り入れが終わっているところがほとんどでした。

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夕方になると、あじさい散歩道から夕陽の中の富士山がかすかに見えました。携帯のズームで映したものですので、ぼやけていますが・・・・・。

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また、暗くなった田んぼで、電気をつけた稲刈り機で残った最後の稲を刈っていました。

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この稲刈り機は優れもので、稲を刈り取るだけでなく、刈り取った上で、その稲から更に籾の部分を刈り取って、籾のなくなった稲をこの稲刈り機の後から、束にして放り出すのです。稲刈り機の前の方に突き出ている筒の先から、刈り取った籾を車に積んだ容器に入れて、精米機のある農家では自分の家に持ち帰り精米するのです。もうしばらくすると、その農家の軒先に袋に入った5キロ、一昨年は1,500円、去年は1,700円の新米が100円野菜と共に並びます。ですから、ここ鶴巻では、もうすぐ新米を炊いたご飯を味わうことができます。ただ新米が100年野菜と共に並ぶ農家は、私の知る限り、鶴巻近辺では一軒だけです。

 

・昨日は自民党の総裁選が行われ、岸田さんが新しい自民党総裁に選ばれました。テ  レビで放映されていた四人の総裁候補の所信表明を聴く限り、野田聖子さんだけは社会的弱者への視点があるようですが、4人共、近代終焉後の社会のあり様について、全くと言っていいほどに、展望らしきものさえありませんでした。私は、将来の社会のあり様として現在納得できる展望は、斎藤幸平が『人新生の資本論』で提示している「脱成長コミュニズム」ではないか、と思っています。

 しばらく前にBSテレビの夜のニュース番組で斎藤幸平が出ていて、確か1億円の収入の人に90%税金をとっても生活できるのではないかということを言っていました。また、最近の食べ物の宅配のバイトを体験して、その低賃金につてても話していました。斎藤の「脱成長コミュニズム」は、大量生産大量消費ではなくて、必要の範囲内に物の生産は抑えて、それをみんなでできるだけ公平に分配する社会を市民が共同してつくっていくというものです。斎藤は、この本の中で土地や資産の共同使用ということも言っていたように思います。そういう市民社会に対して国家権力は、市民社会と対峙するのではなく、国民国家が競合する世界の現実の中で自国の市民社会を守ることに専念する限りで、その存在と役割を与えられているに過ぎないのではないでしょうか。

 気候変動による将来の地球危機を乗り越えるためには、少なくとも上記のような展望を政治に携わる人は持たなければならないと、私は思っています。少し大風呂敷かも知れませんが・・・・。