なんちゃって牧師の日記

説教要旨と牧師という職業で日々感じることを日記にしてみました。

船越通信(488)

船越通信、№488 2021年10月24日 北村慈郎

  • 16日(土)夜9時少し前に、仕事から帰ってきた娘が自動車で私を船越教会まで送ってくれました。鶴巻から国道246号に出て、しばらく伊勢原方面に行き、左折して東名伊勢原・大山インターから東名に入りました。海老名インターで一時休憩し、高速を乗り継いで、船越教会の手前の上のトンネルに行く、少し広くなっているところで車を降りて、2日分の食材をつめたリュックを背負い、10日の日曜日に鶴巻に帰る時に使った小さなキャリアカーを押して、教会の外階段を一歩ずつ注意して上り、教会玄関にたどり着きました。そこから携帯で娘に連絡し、娘に安心して帰ってもらいました。船越教会に着いたのが午後10時30分ごろでしたので、電車で来るより30~40分早く着きました。腰を少し曲げて歩く分には、殆ど痛みはないのですが、通常の姿勢で歩くと、右足の出し方、引き方によっては、まだピリッと痛みが走ります。この日は説教原稿の最後のまとめを少ししてから、明日の朝4時に目覚ましをかけて寝ました。
  • 17日(日)は目覚ましを賭けた4時前に目を覚まし、そのまま最後の礼拝式と説教原稿のまとめをして、午前6時半ごろメールで、本日の礼拝式及び説教原稿、・週報・船越通信他を皆さんに配信しました。しばらく休んでから、朝の準備をし、礼拝に臨みました。礼拝後には、10月30日(土)13:30~教区婦人委員会・性差別問題特別委員会共催講演会のYouTube 視聴を船越教会で行いますますので、私のパソコンにメールで送られてきた講演ユーチューブをプロジェクターで映し出すことができるか、Mさんに試してもらいました。その結果、繋がり映し出すことができましたので、これで当日を迎えられます。機器の扱いに疎い私としては、これで安心できました。この日は皆さんが散会した後、しばらく休んで、その後夜まで、先週の水曜日に予定していた支援会通信第26号の発送作業を、私の足のケガで中止しましたので、一人で行いました。先ず封筒に支援会の連絡先、第2回Zoom懇談会の案内、「宣言」の現在版をそれぞれ1000部印刷しました。「宣言」はA3が2枚になりますので、印刷後2枚を組み合わせました。それが終わってから、支援会の連絡先を表の下に印刷した封筒に、第2回Zoom懇談会案内、通信第26号、「宣言」現在版を1部ずつ入れました。夕食1時間ほど休んで、午後10時過ぎまでこの日の作業をしました。18日月曜日も朝食後から作業を続けました。午前10時ごろ教会庭の手入れにNさんが、お昼頃からはSさんが来ましたが、私は発送作業を黙々と続け、午後3時には約900部の封書を完成させ、ヤマト運輸に連絡し、深浦の工業団地の中にあるヤマとの集配所から引き取りに来てもらいました。午後4時頃ヤマトの人が来て、約900部の封書を持って行ってくれました。私は後片付けをして、まだ教会にいたSさんに挨拶をして、迎えに来てくれた下の息子の車で鶴巻に帰りました。
  • 19日(火)から23日(土)までは家に静かにしていました。20日(水)の基地小はお休みし、21日(木)午後6時半からZoomで寿地区活動委員会に参加しました。寿地区活動委員会は9月の委員会からなか伝に集まれる人とZoomによる参加者とで委員会を行っています。この日も2時間ほどで委員会を終えました。

★ 斉藤幸平『人新生の「資本論」』⑪

  • 斉藤は、「『脱成長』は平等と持続可能性を目指す。それに対して、資本主義の『長期停滞』は、不平等と貧困をもたらす。そして、個人間の競争を激化させる」と言う。それ故に、「相互扶助や平等を本気で目ざすなら、階級や貨幣、市場といった問題に、もっと深く切り込まなくてはならない。資本主義の本質的特徴を維持したまま、再配分や持続可能性を重視した法律や政策によって、「脱成長」・「定常的経済」へ移行することはできないのである。結局、脱成長資本主義はとても魅力的に聞こえるが、実現不可能な空想主義なのだ」と言うのである。気候危機を乗り越えて持続可能な社会をつくるには、資本主義では根本的に不可能だ。だから資本主義を前提にした成長と分配では気候危機を乗り越えられないと。
  • 今日本は選挙を前にして各政党の党首が政策を訴えていますが、それを聞く限り、斉藤の問題提起に応えているところは皆無に等しいと思われます。
  • 斉藤は、この気候危機を前にした「歴史の分岐点においては、資本主義そのものに毅然とした態度で挑むべきなのである。/労働を抜本的に変革し、搾取と支配の階級的対立を乗り越え、自由、平等、持続可能な社会を打ち立てる。これこそが、新世代の脱成長論である。それゆえ、新世代の脱成長論は、もっとラディカルな資本主義批判を摂取する必要がある。そう、「コミュニズム」だ。/こうして、ついにカール・マルクスと脱成長を統合する必然性が浮かび上がってきた」と言う。
  • そして「『人新生』に甦るマルクス」と言って、マルクス復権を訴える。「世間一般でマルクス主義といえば、ソ連や中国の共産党による一党独裁とあらゆる生産手段の国有化というイメージが強い。そのため、時代遅れで、かつ危険なものだと感じる読者も多いだろう。ところが、世界に目を向けると、近年、マルクスの思想が再び大きな注目を浴びるようになっている」と言って、「〈コモン〉という第三の道」を提示する。「近年進むマルクス再解釈の鍵となる概念のひとつが、<コモン>、あるいは<共>と呼ばれる考えだ。コモンとは、社会的に人々に共有され、管理されるべき富のことを指す。…<コモン>は、アメリカ型新自由主義ソ連型国有化の両方に対峙する「第三の道」を切り拓く鍵だといっていい。つまり、市場原理主義のように、あらゆるものを商品化するのでもなく、かといって、ソ連社会主義のようにあらゆるものの国有化を目指すのでもない。第三の道としての<コモン>は、水や電力、住居、医療、教育といったものを公共財として、自分たちで民主主義的に管理することを目指す」と言うのである。香港の民主化中国共産党によってつぶされたのは、香港の民主化運動の根柢には<コモン>の復権があったからに違いない。(続く)