なんちゃって牧師の日記

説教要旨と牧師という職業で日々感じることを日記にしてみました。

人間性を大切に

多くの人が何かがおかしいと思っているのが、現代の日本の社会ではないでしょうか。そのおかしさが何かが段々明らかになってきています。否既に十分明らかになっているとも言えます。バブル崩壊によって。それは、私たちが「経済と技術」を余りにも過信してきたことにあります。

今日現役で働いている方々の中には、労働現場では仕事中心に生活設計せざるを得ない苛酷な状況があって、その非人間性に気づいている人が多いのではないでしょうか。「確かに、収入は多いかも知れないが、それは家族の生活を代価とした結果なのだ。夜遅く帰宅し、週末もしばしば仕事の付き合いで潰され、精神生活は仕事で奪われている。内なる静けさを失い、平和な家庭生活は、実現困難となっている。忙しさのために、自分自身のもっとも深い部分をなおざりにしている」と言われている現実が実際にあるのではないでしょうか。

そのことは一つの危機ですが、同時に、こういう気づきが多くの人に広がっているとすれば、そこに一つの可能性があるとも言えます。若い人の中には企業の中に自分が取り込まれてしまうのが嫌で、自分のやりたいことが見つかるまで、フリーターでしのいでいるという人もいるようです。先日寿の青年ゼミに来ていた30歳で今は養護学校の職員になっている青年が、かつて自分がフリーターをしていたのは、本当にやりたい仕事が見出せなかったからだと言っていました。

そういう若者ばかりではないでしょうが、少しでもそういう若者がいるということは、うれしいことです。

社会はそこで生活するすべての人の関係性によって形作られます。権力やお金のある人はメディアを操作できますので、ある程度社会を自分の思うようにコントロールできますし、そうしようとするでしょう。人間性を失わないで出来る仕事を求める僅かの若者の存在が、その社会の中でどれだけの力になるかはわかりませんが、でもきっと「世の光」「地の塩」となっていくことを、私は信じています。