なんちゃって牧師の日記

説教要旨と牧師という職業で日々感じることを日記にしてみました。

世の光、世の塩

 先日テレビを観ていましたら、ハイチで30年以上医療活動をしている日本人で84歳の女医さんのことが放映されていました。この方はカトリックの信仰者のようですが、結核の専門医で40代後半になってハイチでの活動を始めたということです。ハイチのマザーテレサと言われているそうです。
 
今回の22万人の命が失われたと言われますハイチの地震で、彼女の活動拠点であった病院も崩壊してしまい、地震後のハイチは大変困難な状況にあるようです。私は今回テレビで観るまでこの方のことは全く知りませんでした。
 
1960年代に岩村昇さんがネパールに行って医療活動を始めました。その岩村昇さんを支える会があり、私も多少関わっていました。その後岩村昇さんは、現地の人に医療技術をつけて現地に帰って医療活動をすることができるようにという働きをするようになりました。名古屋の郊外にアジアのワーカーを受け入れる病院があって、そこが研修の場所になっていました。
 
岩村昇さんやハイチの女医さんやアフガニスタンでの働きを続けておられる中村哲さんもそうですが、NGOを通してこういう方々が世界のいろいろな所で活動されていることを改めて知って、心強く思いました。
 
ヨーダーというアメリカの神学者は、教会は社会に対して対抗文化となり、開拓的なコミュニティを社会に提示する働きをすると言っています。ともしますと、教会はその社会を補完し、下から支える支配のイデオロギーとしての役割をすることがあります。教会にはヨーダーの言うように既存の資本主義社会とは異なる使命があることを自覚し、現実の社会と教会が緊張関係を保持しつつ、イエスの福音を宣べ伝えていきたいと思います。
 
何かの本で読んだのですが、21世紀後半にはアフリカの教会が欧米の教会に宣教師を派遣するようになるのではということが書かれていました。つまり、欧米の社会ではキリスト教の生命力が失われてしまって、世俗化の波に巻き込まれてキリスト教は衰退していき、アフリカを中心に旺盛な生命力をもったキリスト教が、かつてとは逆に欧米の世界に宣教活動を繰り広げるだろうということです。そういうことが起こるかも知れません。
 
けれども、欧米のキリスト教がどうだとか、アフリカのキリスト教がどうだとかはどうでもいいことで、私は、イエスの福音がもっている人間の全的な解放性にこだわり続けていきたいと思っています。