なんちゃって牧師の日記

説教要旨と牧師という職業で日々感じることを日記にしてみました。

父北村雨垂とその作品(27)

残暑の厳しい日が続いています。私は917日まで夏休みです。先日ある人から贈呈された『全学連全共闘』(伴野準一、平凡社新書2010年)を読みました。著者は1961年生まれですから、全共闘世代ではありません。インタビューや本から情報を得て、この本を書いたのではないかと思います。本の帯びに「『革命って何ですか?』闘争を知らない世代のノンフィクション作家が描くもう一つの『学生運動』」とあります。作者は大分若い方ですので、あの時代を描く著者の立ち位置は、60年から70年を高校卒業してから体験している私などとは大分違いますが、60年から70年にかけての時代をもう一度ゆっくりととらえ直してみたいという思いを、改めて与えられました。
 さて、今日は「父北村雨垂とその作品(27)」を掲載します。
 
父北村雨垂とその作品(27)
 
以下、「(昭和)50(1975)年815日以後の作品」とノートにはあります。父が脳溢血で倒れ、半身不随になってから5年後です。この部分には、一つの句を創り出す過程での習作も記してあるように思われます。
 
また泣いて来た僕チャンの自衛隊
 
法師せみ 光る栗の葉 とん死するぞ
 
赤ん坊の掌がハラハラと散る大地 ( はは )の秋
            (秋の大地 ( はは )よ)
 
心臓の小波に 風汒乎たり
 
忘却の 白きを 夢のプリズムに
 
忘却の 正午は 現在 ( いま )を 七色に
 
神は大地に共に日月と天に在り
神は日月大地と共に天に在り 
 
神よ 大地は 現在 ( いま )も 日月と天に在
足下神は現在 ( いま )も大地日月と天に在り
 
神は足下に 日月 共に 天に在り
 
神は地に見よ日月と天に在り
大地いまも日月と共に 天に在り
葉けいとう 花子はおヨメさんに行くの
 
神を見よ 地は陽と月と天に在り
 
褾足に匂う 假睡は夢に描く
 
バッコスの血を山ブドー現在 ( いま )に継ぐ
バッコスの血を現在に継ぐ山ブドー
バッコスの血でもあらうか山葡萄
 
番犬は「 ( かず )」を見ていた冬の星
 
神は 足下に大地は天に在ると星 ( くず )
 
東から 西へ 私の  ( ぶ ) ( き )られる
 
万葉の婦を水に つるべにて 釣瓶 ( つるべ )
 
東から西へ 私のぶち切らる 打斬 ( ぶちき )らる