なんちゃって牧師の日記

説教要旨と牧師という職業で日々感じることを日記にしてみました。

父北村雨垂とその作品(29)

 今日は「敬老の日」です。年長者にも深く関わります人間の「老病死」については、福音と世界の10月号の私の「随想メッセージ」に書きましたので、読んでいただければ幸いです。今日は「父北村雨垂とその作品(29)」を掲載します。今日の句の中にも、聖書と関係するものが出てきます。
 
 父北村雨垂とその作品(29)
 
以下、「(昭和)50(1975)年10月25日より」とノートにはあります。
 
男の体臭 ( イオン ) 女の体臭 ( イオン ) 熱い対話
 
羞痴を捨てた 男の体臭 ( イオン ) 女の体臭 ( イオン )
 
うたたねや 火となる石は ふところに
(転寝や)
 
体臭の イオンは 男だよ 女だよ
体臭 (たいしゅう)のイオンは 男です 女です
体臭 (たいしゅう)はイオンです 男です 女です
 
月光や 落葉の 影と さまよえる
 
突撃の構えで 冬が死んで行く
冬晴れも 小石の影も白き朝
冬晴れも 白くさまよう小石の影
姉と妹の 長い対話も シクラメン
 
天井と壁が 昨日と居て呉れる
春が轉んで 駆けつけたる老婆
とつげきに葦も構えて冬も死ぬ
目を伏せて泣く 運命の他人 ( ひと )の胸に
 
老荘に やはり 犬馬は ふんをする道
 
点滴の 現在 ( いま ) 十二時を打つところ
 
弁証の 歴史も 庭に蕗のとう
 
考える葦と 考えるブロンズと
 
太陽を摘む詩人ダビデを路傍にて
突げきに構えた葦や木枯に
 
シクラメン 姉と妹の 長い対話
 
月光や落葉に影もさまよえる
天井と壁が きのうと 居て呉れる
 
目を伏せて哭かぬ女の豊かな乳房
 
バラの舞い ヨハネの首は 母の希い
 
バラの舞い 母の希ひは ヨハネの首