なんちゃって牧師の日記

説教要旨と牧師という職業で日々感じることを日記にしてみました。

父北村雨垂とその作品(73)

 弁護士から私の裁判の「第一回期日が、まもなく決まると思います」との連絡がありました。いよいよです。

 今日は「父北村雨垂とその作品(73)」を掲載します。以下の作品の中にもこのブログに以前掲載した句もいくつかあるように思われますが、そのまま掲載させていただきました。

            父北村雨垂とその作品(73)

   対流 補遺(脱落から) 続き

 日月と大地は 天に在り 神と

 潮騒(しおさい)と カンナが 夏を 回想する

 点滴の 現在(いま)や 十二時を 打つところ

 長い対話の 姉と妹よ シクラメン

 天井と 壁に 昨日(きのう)が 確かに 在る

 婦(おんな)の指よ 豚は 眞珠を 流し目に

 討たんかな 昔は 髭のあった 稲子(イナゴ)

 歴史の爪(ツメ)に 人臭き 月

 遺書とあり 一個の父母を もてあそび

 黄昏(たそがれ)て 猫の 目脂(メヤニ)

 男の体臭(イオン) 女の体臭が 熱い 対話

 故里の父を鏡に なつかしや

 輝く 砂漠の バッカスの 唄声

 東天紅も 天の岩戸も 背延び して

 朝陽 夕陽 地蔵の猊の 右 左

 風におどる月は無限 と 雲と 駆ける

 河鹿は 縦(たて)に 稚鮎は 横に せせらぎ

 閑として 能面に秋の 光と影

 蜥蜴(とかげ)が チラリ 亀も 能面も チラリ

 刻明に 意識を消してしまった 夜あけ

 蒼空がある それだけの 朝をみる

 妻も許せ 桜もすでに 散り始む

 駅のマイク 乾干びた 午前 〇時

 さまざまに いのちの踊る 夏 なるかな

 獨り居が 出来ることなら 月へ行く

 人絹か 葱(ネギ)の艶(ツヤ)かな 月の肌

 雑草のなかで 居直る おにあざみ

 黄昏て 鴉は 朝を ふところに

 埋立地の葦は 産毛(うぶげ)です 眞理 です

 運命の 交響曲は 歴史は 死なぬ

 プリズムは 音のイデヤを 虹に描く

 ワーグナーに 角兵ヱ獅子の足袋にも泥土(どろ)

 故里(ふるさと)の 口唇(くち)から 生命(ちえ)が とつ おいつ

 無花果の葉で 確かめた エデンの蛇

 開けた目に眩(わら)え 眩(わら)え と 智惠の芽 を

 風雪や 現在(いま)を 無門の 同祖(どうそ)神(しん)

 枯れた薄(ススキ)が ささやくが 誰も 居ない

 柳も 花も 笑え 見ろ とも 見るなとも

 丸い 四角に 狂う 若獅子

 アイオーンと啼く 牛の瞳に 天の海