昨夜神奈川教区の常置委員会があり、鶴巻から出席しました。その常置委員会で、2月開催の教区総会に私を推薦議員にするかどうかで常置委員の中で議論がありました。教団を訴えて裁判を起こしている者を議員にしていいのかという意見もあり、推薦議員にするにしても、北村は教師なのか信徒なのかという質問があったり、神奈川教区の中でもまだ私を排除したいという勢力があるようです。常置委員会は私を推薦議員に決めました。さて、この日の常置委員会で、按手礼志願者6名の面接がありました。その中の何人かは「日本基督教団の信仰告白を遵守し、教憲教規に従って･･･」というだけの所信表明をしていました。その所信表明を聞きながら、制度組織としての教団の教師として教憲教規を守ることは自明のことですが（教憲教規違反という「違法聖餐」をしたということで、私は教団から戒規免職処分を受けていますが、私の聖餐執行を私自身は教憲教規違反とは思っていません）、福音の宣教者としてはそれだけではないだろうという感想を持ちました。福音と法の関係は、福音書のイエスの安息日論争が示していますように、福音の優位性にあると思われます。以下の吉本の言葉は、福音の宣教者にも当てはまるのではないでしょうか。
黙想と祈りの夕べ （通信 68[-16] 2001･1･14発行）
私は７日の「合同礼拝」の説教で、絵本「あふりかのたいこ」の物語を紹介して、聖書の示す「究極の物語」は何かについてお話ししました。ヨハネ黙示録の１５章２－４節に記されている幻、「神の竪琴を手にして、ガラスの海に立って、神をほめたたえる者たちの群れ」に「究極の物語」が示されていることを。その説教の中では展開しませんでしたが、「究極の物語」をもって今ここに生きるということは、現在の市民社会の中で生きている自分自身の中に矛盾葛藤を敢えて抱え込むことになります。現在の市民社会は究極の物語ではありませんので。その矛盾葛藤を共有しながら、究極の物語を信じ、生きようとする者の群れが教会ではないでしょうか。
上記のような発言を、７日の「分かち合い」で私はしました。
最近読んだ吉本隆明の対談集の中に、吉本の言葉として、こういう言葉がありました。「僕は日常生活の中では、市民社会の法律に違反しないように生きていますが、精神の表現の世界では、法律なんか一切考慮していません。“精神の違法性”といいましょうか。“際限なく違法性があるのが人間性だ”と思っています」（『超「２０世紀論」』上）。ここには、生活世界における自分と精神世界における自分の二重性が語られているように思われます。生活世界では現在の市民社会の法律を守るが、精神の表現の世界では法律なんか一切考慮しないというのです。当たり前と言えばそれまでですが、すごい発言だと思います。７日の私の発言に通じるものがありましたので、引用させていただきました。
私の発言に続いて、一人の姉妹から以下のような発言がありました。
今日の説教にでてきた「あふりかのたいこ」は３５年前くらいに出版され、その時に読んだ時、すごい絵本がでたと思った。それ以来繰り返し読んできた、私の好きな絵本の一冊である。先週も託児係だったので、子供たちに絵本を読んだ。その中の一冊が「あふりかのたいこ」だった。その他の読んだ本の中に、サンタクロ－スの話があり、サンタクロ－スのためにワインをグラスについで寝た子どもが、翌日そのグラスが空になっていてプレゼントがあったので、サンタクロ－スが来たと喜んだ話である。小さな子どもは真剣に聞いていた。そばに大きな子がいて、サンタクロ－スなんかいないよと思っていたかも知れないが、だまって喜ぶ小さな子を見ていてくれた。うれしかった。技術の進歩で利便性がますます追求されるだろうが、コンピュ－タ－の世界にはない、フェイス・トゥ－・フェイスの本の朗読や人と人とのふれあいを大切にしていきたいと。
また、一人の兄弟は、今日の説教ではお金のことが話されたが、企業の利潤追求でもそのすごさを感じている。同時に、ミヒャエル・エンデの『モモ』では「時間泥棒」がテ－マだったが、時間に追われる生活を強いられている。この正月休みで自由を得てほっとする生活を過ごしたが、改めて普段の生活では、お金と時間の奴隷のような生活を強いられていると実感させられたと。
最近ず－と不況の克服が叫ばれ、税金が銀行の不良債券の救済や公共投資に注がれていますが、素朴な疑問として景気回復がそんなに必要なことなのだろうか、と思います。景気回復より、そこそこ安定した生活が保証されるような公平な分配と弱者の救済に税金が使われ、働く者の生活にゆとりができるようにしたら、消費も活性化し、それなりの安定した経済活動が可能なのではないでしょうか。素人判断ですが。
