なんちゃって牧師の日記

説教要旨と牧師という職業で日々感じることを日記にしてみました。

船越通信(83)

        船越通信癸牽魁  。横娃隠嫁11月18日     

・11月11日の礼拝を終えて、しばらくお茶を飲みながら懇談をして、私は14時過ぎに新横浜から

新幹線に乗って、神戸に向かいました。新神戸から三宮に出て、阪急に乗り換え、阪急六甲駅で降

りて、その近くにある神戸学生センターに午後6時過ぎに着きました。その日は、そこで「求めす

すめる連絡会」(沖縄から米軍基地撤去を求め、教団『合同のとらえなおし』をすすめる連絡会)

の第4回全国総会・協議会が行われたからです。この会は2004年の第34回合同後19回教団総会の会

期中に立ちあがった会です。その時の教団総会は、沖縄教区が教団との間に距離置いてから初めて

の総会でした。2002年の第33回合同後18回教団総会では、沖縄教区提案の「名称変更議案」をはじ

め「合同のとらえなおし」関連議案が全て審議未了廃案になりました。教団が沖縄を切り捨てる状

況の中で、有志の運動として「求めすすめる連絡会」を立ち上げ、沖縄からの問題提起に応えてい

こうということになりました。私は、最初から世話人の一人としてこの会に関わり、2006年から20

10年までの4年間は神奈川が事務局の責任を負い、その間事務局長としてこの会の下働きをしまし

た。2010年の教団総会以降大阪と兵庫に事務局が移り、今回の総会・協議会ということになりまし

た。

・今までは基地問題がこの会の中心課題でした。私が事務局長の時には、2回全国総会・協議会を

行いましたが、開催場所は岩国と横須賀でした。岩国の時には井原元岩国市長に講演をお願いし、

横須賀の時には非核市民宣言運動・ヨコスカの新倉さんに講演をお願いしました。また、岩国では

岩国基地の海岸線埋め立て地やその土砂を提供した愛宕山の現況を見学しましたし、横須賀では舟

をチャーターして米海軍や海上自衛隊の艦船が停泊している横須賀港の見学をしました。今回は参

加者による協議が中心でした。課題も3・11以降の状況を踏まえて、基地に集約するのではな

く、基地、沖縄、原発、教団の四つが立てられ、そこに通底する問題を考え、意見交換をしまし

た。私は、「教団」の発題者になっていましたが、私自身が依頼されていたのを失念してしまった

のか、全くその用意をせずに出席し、その場で自分の思いを述べさせていただきました。

・今回の集いで一番強く感じたことは、自分が日常的に生きている現実について、その破れの深刻

さを自分自身がどれだけ深く捉えているかということでした。私たちの日常は、沖縄や岩国と同じ

ように、ある意味で戦争状態と言ってよいと思いますが、人の命と生活が踏みにじられているその

現実の深刻さにどれだけ自分が誠実に向かい合っているのかということです。沖縄の方が沖縄に来

るヤマトの人に向かって、自分のところで闘ってよ、安保条約を破棄してよと言われることに、ど

う向き合うのかという問題です。これは、ただ運動をしていればいいというわけではなく、自分の

命をかけて現実と向かい合うということではないかと思います。

・この集会で、奥羽から参加した奥中山教会のKさんが、八戸北伝道所牧師の岩田雅一さんの本

『カオス 抑圧の最前線―六ヶ所から』をもってきて、紹介し、購入してほしいとアッピールされ

ました。私は1冊購入し、帰ったから読みましたが、岩田雅一さんもそうですが、この本の中に

「自分の命をかけて現実を向かい合う」数人の方々のことが書かれていて、この集会で自分が感じ

たことと重なっていて、不思議に感じました。

・15日(木)19:30から船越教会で聖書研究会が行われました。上村静さんの『旧

約聖書と新約聖書―「聖書」とはなにか』p.159-p.190を扱いました。この部分は紀元前200年前後

からイエスの時代までが中心で、ヘレニズムの影響による復活信仰の成立、マカベア時代からロー

マ支配までが扱われています。書物としては「ダニエル書」以外聖書正典外の諸文書が取り上げら

れています。「週の黙示録」「夢幻の書」「第二マカバイ記」「バルク書」「神殿の巻物」「第一

マカバイ記」「ユディト書「ヨベル書」「創世記のアポクリフォン」「ソロモンの詩篇」「たとえ

の書」「モーセの昇天」等です。私自身これらの諸文書についての理解が乏しく、四苦八苦でした

が、今回改めて新約聖書やイエスの理解のためにも、この時代のユダヤ人(ユダヤ教)の歴史を理

解しておくことの大切さを思わされました。

・17日(土)には神奈川教区の拡大社会委員会が大船教会で行われました。私も出席しました。今

回は社会福祉小委員会が集会を設定して、「立派な障がい者?」というテーマでなか伝道所のMさ

んのお話しが中心に、質疑とグループの話し合いという集まりでした。Mさんは、ご自分の長い働

きを通して、障がいのある方との関わりから、1、はじめに(ご自分の経歴の紹介)、2、障がい

のある方たちの魅力、3、障がいのある方たちの生きにくさ、4、障がいのある方たちとともに、

についてのお話しをしてくださいました。宮崎さんのお話から学んだことを、二つ紹介させてもら

います。‐磴いのある方が生きていてよかったと思え、周りの人が障がいのある方を支え育てて

いくことが幸せと感じられる社会。⊂磴いのある方も教育によって成長すると共に、周りの人が

障がいのある方のことをよく知って、想像力豊かに接することのできる社会を、私たちはめざして

いかなければならないということを、私は宮崎さんのお話から学びました。宮崎さんは、いわゆる

健常者と言われている人が、障がいのある方とのことを良く知らないこと、想像力の欠如が問題

で、そのことが変わることによって社会も変わるのではないかという趣旨のことをおっしゃってい

ました。そのご意見に私も共感しました。