なんちゃって牧師の日記

説教要旨と牧師という職業で日々感じることを日記にしてみました。

2006-01-01から1年間の記事一覧

冷たい人の社会

★高校生からの質問 Part11★ 「日本はなんでこんな社会なのでしょうか。冷たい人が多いんでしょうか?」 この質問には、心優しい温かな高校生の現代日本社会を憂える嘆きのようなものが感じられます。どうぞその想いはこれからも大切にしてください。 ただ…

メメント・モリ

★高校生からの質問 Part10★ 「人が死んだら、またその後に世界はあるんでしょうか?」。同様の質問として、「死について最近考えることがあるのですが、死とは何か、また死んだらどうなってしまうのでしょうか?」 これも大変難しい質問です。死については…

野の花、野の鳥

★高校生からの質問 Part9★ 「どうしたら自分を愛することができますか?」 これもなかなか難しい質問です。まず新約聖書のマタイによる福音書の中にありますイエスの山上の説教と言われる教えの一つを紹介しましょう。まずイエスは食べ物のことや着物のこと…

貸与された生

★高校生からの質問 Part8★ 「この世界が私の生きるに値する場所だとどうして分かるのでしょうか? 私はこの世の中に生きるに値する人間なのか・・・・完全無欠の答えがほしい」 しばらく高校生からの質問を休んでいました。再開しようと思って、取り上げたのが…

基地はいらない

しばらく忙しくしていましたので、ブログ日記を書けませんでした。ゴメンナサイ。 6月11日〔日〕から3日間、沖縄の基地問題を考えるキリスト教関係の有志の全国会議が横浜であり、その実行委員会の責任を私が負っていたからです。70名強の参加者が全国から…

自分と他人

★高校生からの質問 Part7★ 「“自分を愛する”事が何故一番大切なのか。何となくわかる気もするが、“他人(ひと)を愛する”事の方が大切な気もする」のですが? 私が牧師を養成する神学校を出て、最初に働いた教会は東京の下町にある小さな教会でした。1969年4…

自分を愛するとは?

★高校生からの質問 Part6★ 「人は自分を愛してこそ、自尊心をもつことができると先生はおっしゃいましたが、他人に自分の存在を認めてもらってこそ、自分を愛することができるのではないですか。また、自尊心と自己愛というのはどこに境界線があるのでしょ…

家族のまとまり

★高校生からの質問 Part5★ 「最近どのようにしたら家族がうまくまとまるかということで悩んでいます」 なかなか難しい問題です。正直に言って、私にも即決の答えはありません。こういう時、牧師の多くは「祈りなさい」と言うかも知れませんね。実は私もそう…

無為の生

★高校生からの質問 Part4★ 「自尊感情はどのようにすれば育つのでしょうか。最近、私は自分のことがどうでもよくなっていて、何をするのも面倒に感じます。自分の中に自尊感情が芽生えないと、これから自分がどうなるのかさっぱり分からなくて、ちょうど、こ…

富と貧

★高校生からの質問 Part3★ 「・・・自殺やニートなどは先進国に多いといいますが、なぜ人は物に富んでいる時は自分の人生を無駄にし、貧しい時は必死に生きようとする人が多いのでしょうか」。 日本の社会もこのところ自殺者は毎年3万人を下らないといわれてい…

生きる意味?

★高校生からの質問 Part2★ 「人間は本当に一人一人神様から与えられた使命はあるのですか? この世に生きることに本当に意味はあるのですか? 私は生きることに最近本当に空しさを感じます。自分は本当に価値があるのですか? イザヤ書に〈わたしの目にあな…

なぜ神が生まれたか?

5月29日から31日までS女学校高校2年生の自然教室に講師として招かれて御殿場に出かけお話をしてきました。テーマは「出会い~自由への道~」でした。私は4回主題講演を頼まれていましたので、ー分史から、¬扈票圓量簑蠅ら~望ましい出会いを求めて~、聖書…

信じ抜く

横浜の寿町、東京の山谷とともに、日本の三大寄せ場と言われる釜ケ崎で活動されているカトリックの神父さんの本田哲郎さんは、「信仰」を「信頼して歩みを起こす」と訳しています。 先年のアテネ・オリンピックで野口みづきさんが女子マラソンで優勝しました…

箱舟を作る

聖書の使信(メッセージ)癸掘 創世記のノアの洪水物語では、洪水による人類の滅びを超えて、神への応答の責任を負うべき人格としてノアが神によって選ばれます。ノアについては、6章9節で、「その世代の中で、ノアは神に従う無垢な人であった」と記されて…

楽しい今。

私は、今月の終わりに3日間、キリスト教主義の女学校の自然教室に講師として参加することになっています。高校2年生の自然教室です。 私もかつてキリスト教主義の男女共学の学校に中学、高校を過ごしたことがあり、自然教室と言ったかどうか忘れたが、2泊3…

神様の後悔

聖書の使信(メッセージ)癸供 兄弟アベルを殺したカインの末裔は、堕落の一途をたどります。都市が建設され、社会が複雑になるに従って、ますます神の意に反することを人間はするようになります。人間は神の創造された世界の中で、神の似姿に造られ、神に代…

信と不信

聖書の使信(メッセージ)癸 5月11日「第一のもの」(癸院法5月12日「自由は重荷か?」(癸)、5月16日「責任転嫁」(癸)、5月18日「臨界を越えると」(癸粥砲蓮以前教会の日曜礼拝で、聖書全体の流れを追って、一体聖書は私たちに何を語りかけているのか、をお…

臨界を越えると、

私たちには根強い自己弁護、自己正当化があるように思われます。私自身の中にもあります。 創世記3章の堕罪物語以降、一度神から離れた人は楽園より益々遠ざかります。罪と死に絡まれた人間は、人と人とが互いに協力してこそはじめてこの世を生き得るのに、…

責任転嫁

神の命じる、食べてはならない善悪の木の実を食べてしまったアダムとイブは、食べてはならないという神の命令を破って何故食べたのかを神によって責められたとき、二人ともそれぞれアダムはイブに、イブは蛇に責任を転嫁して逃げました(創世記3章)。 自分…

自由は重荷か?

アンビバレントという言葉があります。日本語に言い換えますと「両価的」とか「両義的」と訳されます。 日本語で「両価的」とか「両義的」といわれても、ことばを聞くだけではよく分からないでしょう。字を見ると分かり易いかも知れません。「両価的」の「両…

第一のもの

初めに、神は天地を創造された」(創世記1:1)。聖書の最初の書き出しがこの言葉です。 私たちは何を「第一のもの」としているでしょうか。人間にとってその人が何を第一にしているかということは大変重要なことです。それによってその人の生き方が違って…

命こそ宝?

弁証法などと難しいことを言わなくとも、物事には一面ではとらえきれない多様な実体があります。 沖縄で戦後米軍基地反対闘争の先頭に立って闘った阿波根昌鴻さんに、岩波新書から出ている『命こそ宝~沖縄反戦の心~』という著書があります。「命こそ宝」こ…

人間が壊れる

「人間が壊れる」ことの恐さを感じます。 人間が人間として生きていくためには、その人が生きていていい、という絶対的な肯定が必要だと思います。ある人は体内の時期から生まれて一年迄の赤ちゃんのときに、その人が母親からも周りの大人からも大切にされて…

品性ということ

昨日朝、テレビで『国家の品性』という本を書いた著者のインタビューが放映されていました。小泉首相をはじめ現在の政府が推し進めてきた政策が、日本の国家の品性を著しく格下げしてしまったということを、色々な面から語っていました。その発言はなかなか…

赦しと許し

連休中です。みなさんいかがお過ごしでしょうか。私は遠出はせず、出かけても近場で少しのんびりと過ごしています。でももうすぐ連休も終わりです。 キリスト教信仰の中で神の「赦し」は中心的なメッセージです。このことに信仰者は誰も異存はないでしょう。…

系図

昨日の礼拝説教でマタイによる福音書の1章1-17節を扱いました。私はこれから日曜日の礼拝説教はマタイによる福音書を順次扱っていくつもりです。この箇所はイエスの系図が書かれているところです。よく新約聖書を読み始めて、最初の系図で躓いてしまい、読む…

現代社会と個人

ここ数年、いやもう少し前の1995年頃から、思いもよらない事件が多発するようになっています。もちろん昔からごくまれに人々をふるえ上がらせる猟奇的な事件が起きてはいました。しかし最近のように次から次にということではなかったと思います。 このような…

性格と気質

久しぶりにブログ日記を書きます。しばらくお休みしていて申し訳ありませんでした。個人的なことがあって、筆を取る気持ちになれませんでした。そのことも一応決着がつきましたので、またボチボチ書いていきたいと思います。 私は、牧師であるよりも一人の人…

軽い山歩き

昨日は久しぶりに山歩きをした。山歩きといっても、散歩程度である。今までにも数回行ったことがあり、小田急の鶴巻温泉駅から弘法山に行き、権現山を経て秦野の駅に出るコースである。今回は同じコースを秦野からタクシーで弘法山の入り口まで行き、まず権…

結婚式

先日事業をしておられる方から、現在本物志向になっているので、教会が誰でも結婚式をするようにして、その代わりに必ず礼拝に出て結婚講座を受けるという条件にしたらどうか。失礼ながら、教会も高齢化が進んで、若者が少ないようだから、若者が教会に出会…